むちゃくちゃなヒーローショー！

星矢「おぉう、すごいな〜」
紫龍「なかなか盛況だな」

グラードパークにやってきた青銅５人。目的は勿論、監視である。

瞬「なんで、沙織さん自分でしないのかな？」
氷河「面倒くさいんじゃないか？」
一輝「だからって俺たちにさせることないんじゃないか？二軍でいいだろ、二軍で」
瞬「二軍は二軍で、街のボランティア活動にでかけたそうですよ」
一輝「・・・それってあれか？俺たちは社会不適合だって言いたいのか？」

瞬「いえ・・・裏を返せば、黄金聖闘士が暴走した時に対応できないってことだと思いますよ」



黄金聖闘士が暴走・・・


ありえるよなぁ・・・・。



氷河「お、ステージが見えてきたぞ」
星矢「聖域戦隊ゴールドレンジャーだってさ！楽しいといいな！」
紫龍「それにしても、なんか、ステージが安っぽくないか？」
氷河「全部、ベニヤだぞ」
星矢「なんか、予算減らされたんだって。ほら、あの件で」
一輝「あれか。さすがだと思わせるものだったけどな」

心の構成不安７割、恐ろしさ２割、緊張９分９厘、ワクワク１厘でステージに赴く。椅子もやはりベニヤだったが、お子様配慮のためか、布で周りを覆ってあり、座りごこちはそこそこよかった。最初は自分たちしかいなかったが、開演の頃には満席になった。


「レディース＆ジェントルメン！」

星矢「おっ！始まったぞ！」
紫龍「ミロだな、この声」

「今日は、ゴールド戦隊・・・ゴールド戦隊・・ゴールドレンジャーショーによく来てくれた！」

瞬「戦隊名を間違えた上にごり押しで続けましたよ」
一輝「誰だ？ミロを任命した奴」

「今日は、俺達が悪の結社、ゴクアクジャーを倒す話だ！ゴクアクジャーなんて、俺達がこてんぱんのけっちょんけっちょんの、地獄の底まで追いかけて、二度と悪行なんかする気も起きないくらい痛めつけてやるぜ！」

氷河「どっちが悪者だって気がしてくるな」

「さあ！悪の結社サイアクジャーの登場だ！」

上手から敵が素早く・・・・あれ？
のったりのろのろ歩いてきて一言。

デスマスク「あ〜、うぜぇ」




やる気ねえーーーーー！




星矢「いいのか！？かつてあんなやる気ない悪役いたか！？」
紫龍「う〜ん、ある意味正しいといえば正しいような」

デスマスク「あ〜、なんかやる気しねえ。国民全員無気力になるウイルスばらまいてやるか」

瞬「言ってることとやってること、かなり矛盾してない？」
氷河「正しい悪の姿じゃないか？悪に正しいってなんかおかしいけど」

「そこまでだ！！」

だだだっとやってくる戦士たち。

デスマスク「誰だ？」
ミロ「俺は、真紅の衝撃！セイントレッド！！」
カミュ「氷と水の魔術師、セイントスカイブルー！！」
カノン「スニオン岬に十三年！セイントブルー！！」
アフロディーテ「白い薔薇は乙女の恥じらい、セイントホワイト！！」

星矢「なあ・・・・これ、全員言うわけ？」
紫龍「デスマスクじゃないけど、うざくなってくるな」
星矢「敵ってある意味一番誠実なんじゃねえ？」

ま、なんだかんだで名前の呼称は続いた。

全員「全員揃って！！聖域戦隊ゴールドレンジャー！！」

ドォンと色のついた花火があがる。

デスマスク「お前ら、自己顕示欲強すぎねえ？」
ミロ「うるさいぞ！ニートマスク！今日と言う今日は、お前ら悪の結社ゴクアクジャーの息の根を止めてやる！」
デスマスク「かかってこいよ」

カッコイイ音楽と共に、九人の戦士がニートマスクと戦い始める。
始めはニートマスクも対等に戦っていたが、五分もすれば、へたばってきた。

デスマスク「ち、ちくしょう。少しは手加減しろ、てめえら」
カノン「隙有り！」

がしっと羽交い締めにするカノン。

デスマスク「あっ、てめえ！」
カノン「さあ、とどめだ！ジェミニローリングクラーッシュ！」


星矢「あっ！！俺の技！！著作権違反で訴えてやる！！」
紫龍「まあまあ」

デスマスク「ぐはっ・・・」
ミロ「どうだ！俺達の力は！悪の結社もこれでおしまいだ！」
ムウ「そうでしょうか」
ミロ「だ、誰だ！！」
ムウ「私は人呼んで、マネーカイザー。私はそう簡単に倒されませんよ」

にこりと客席に微笑む。

ドキュンッｖｖ

星矢「い、今、何か変な効果音しなかったか？」
瞬「した。僕達の周りで」

ムウ「ああ、そうそう。私はお金の念が集まってできたものでして、お金があればあるほど強くなるのです。ステージに投げてくださると、百万力になります」
アイオリア「何を分からないことを言ってるんだ。悪を倒すためだ。死んでくれ」

またも始まる戦い。マネーカイザーは、先ほどのニートマスクよりはヒラリヒラリと攻撃を交わす。しかし、十分もすれば、同じように疲れてきてしまった。

ムウ「はぁ・・・さすがに九人を相手にするのは大変ですね」
アイオリア「隙有り！！ライトニングボルト！！」
ムウ「ぐはっ！」

膝をつくマネーカイザー。

アイオリア「ふっ、次で最後だ。食らえ、ライトニングプラ・・・」

ガツンッ！！突然頭に鈍い痛みが走る。

アイオリア「なんだ！？」



がんばって！マネーカイザー様―――――！


星矢「うわっ！！子供たちのお母さん達が！！」
紫龍「いたっ！俺達に流れ弾が！」
瞬「千円札が飛んでるよ！」
一輝「万札もだ」

ムウ「ありがとう皆さん！私、まだがんばります！スターダストレボリューション！！」
アイオリア「おいっ！台本と違うぞ！！」
ムウ「なんですか、台本って！！」

急に元気になったマネーカイザー。戦士たちをボコボコにしていく。

アルデバラン「ちょ、ムウ！」
シュラ「これじゃ、話が変わってしまうぞ！」
ミロ「やべ、肋骨にちょっときたっぽい」
カミュ「大丈夫か！ミロ！」

思わぬ大苦戦のゴールドレンジャー。

ムウ「ふっ、ゴールドレンジャーもたいしたことないですね」
老師「ほっほ、そうかの」

どこからか音がしたかと思うと、ティンカーベル姿の老師が登場した。


紫龍「老師！気は確かですか！！」
星矢「大丈夫だ！まだボケてない・・・はずだ！」
紫龍「春麗には哀れすぎて見せられない・・・」


ムウ「ふっ、あなたは。お金の力がある私は今最高。どうするおつもりですか？」
老師「ほっほ、こうするんじゃ」

ごそごそと服の中からまさぐって取り出したのは・・・


着火マン。





老師「これ以上悪さをするようだったら、容赦なく、札を燃やすぞ」



星矢「おい！なんだそりゃ！」
紫龍「脅迫行為です・・・老師・・・」

ムウ「くっ・・・・・・・・私の負けです」

瞬「うそぉ！」

ムウ「このお金に比べたら一勝なんて何の価値もありません。このお金を頂いてとんずらします。それでは。スターライトエクスティンクション！」

お金をどこぞへ移動させると、自分も消えた。

ミロ「く・・・厳しい闘いだったが、なんとか勝ったな」
アルデバラン「みんな！まだ戦えるか！？」
アイオロス「もちろんだ！」
ミロ「さあ、最後の敵との決戦だ！命を賭けて戦うぞ！」

星矢「最後でいないメンバーとなると・・・あの人・・・だねえ」
紫龍「なんだか、どんな闘いになるんだか、想像がつくようなつかないような、怖いような怖くないような・・・」


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