グラードパーク、開園に至るまで

沙織「皆さん、クリスマスの予定はありませんね！」

デスマスク「断定すんじゃねえ！せめてハテナマークくらいつけろや！」

沙織「あら、じゃあ、聞いてみます？サガ、あなたはクリスマスは？」

サガ「仕事です」

沙織「ほら。みんなそうでしょう？」
デスマスク「納得いかねえよ！どうしてサガ一人の意見でみんなになんだよ！」
沙織「だって、あまりにも予想通りなんですもの。サガでそうなら、他の人も大体想像どおりかなと」
デスマスク「言ってみろや。アイオリアはどうなんだよ。」

沙織「魔鈴を誘ったけれど玉砕して筋力作り。そうでしょう？」

アイオリア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
デスマスク「おい！！」
沙織「ほら！」
デスマスク「じゃあ、カミュは？」

沙織「氷河に分厚いクリスマスカードを書いた疲れで爆睡。違いますか？」

カミュ「・・・・・・・・・・・・多分、そうなると思います」
沙織「ねっ！」
デスマスク「本気で納得いかないし！ていうか、カミュ！クリスマスカード書くくらいで疲れてどうすんだよ！」
カミュ「いや・・・百枚以上書くから・・・」

デスマスク「呪いの手紙かよ！」

カミュ「祝いの手紙だ」

デスマスク「漢字遊びしてんじゃねえし！」
ムウ「まあまあ、デスマスク。あなたは少し黙ってください」
デスマスク「これが黙ってられるか！」
ムウ「というか、黙ってもらわないと、次が誰が標的になってさらし者になるか分からないんです。あえて毒を食いにいく馬鹿がどこにいますか。そこにいますけど。黙って嵐が過ぎ去るのを待ってください」

沙織「ムウ、本音こぼれすぎですよ」

ムウ「おや、空耳ですよ。私がそんな人間でしょうか？アテナ、クリスマスに暇だと何がどうなるのですか？」

沙織「昨今の金融不安に世界は揺れています。アスガルドあたりなんかは国家破綻しそうな感じです」
ムウ「アスガルドの一つや二つ消えたところで、何の影響もないと思いますけどね」

沙織「私もそう思います。ですが、それではいけません。誰も知らないところで滅亡するなんて、とても哀しいことです」

サガ「アスガルドが滅亡することが前提になっていないか・・・？」
シュラ「アスガルドは鎖国状態なんだから、社会主義的な感じで実は影響全然受けてないんじゃないのか？」
沙織「私は世界中の誰もが笑顔になってもらいたい。だから、テーマパークを作ることにしました。」
シャカ「流石はアテナ。慈悲深くていらっしゃるな」
デスマスク「・・・テーマパークはいいんだけどよ・・・それ、誰がスタッフやるんだ？」

沙織「無論、あなたたちです」

ミロ「やった！！遊び放題だ！！」

カミュ「そんなわけないだろう。逆だ逆。遊ばせる方だ」
ミロ「えっ、あっ、ウソ！！」
サガ「アテナ、お言葉ですが、我々はこやつのように常識、読解力に多大な問題があります。スタッフにしたら、グラードパークを炭にしないという自信がありません」

沙織「構いません。この不況の折り、タダ働きしてもらえる人間は貴重です。たとえ、人間として欠落していても金には抗えません」
デスマスク「ちょい、マテや。聞き捨てなら無いこと聞いたんだけど」
沙織「あら、人間失格さん。何か？」
デスマスク「誰が人間失格だ。つーか、それはいい。俺が聞き捨てなら無いのは、タダ働きってことなんだけど」
沙織「何か不服でも？」
デスマスク「これで不服の無い奴がいたら聞きたいわ！タダ働きなんてやるかよ！」

沙織「じゃあ、言いましょう。これはボランティアです」

アルデバラン「はは、ボランティアか。そうだな、笑顔を金に変えちゃいけないよな」
サガ「その通りだ。私たちはアテナに仕える身。バイト代をせしめるなんておこがましい」
沙織「ほほ、ありがとう皆さん」
デスマスク「みんなじゃねえし、納得できてねえの、他にいるし」

沙織「そうですか・・・では、言いましょう。これは修行です！」

アイオロス「修行か！なんか急にコスモがみなぎってきた。なあ、アイオリア！」
アイオリア「はい！必ずやこの修行やりとげてみせます！」
デスマスク「くたばれ、筋肉バカ。おい、シュラ、お前も嫌だって言えよ」
シュラ「いや・・・俺は、別にいいし」
デスマスク「なんでだよっ！？」
シュラ「反対する理由が見当たらないし。アテナが慈悲でやられることを拒否るお前の方が理解できん」
デスマスク「アフロディーテ！お前はあるだろ！」
アフロディーテ「サガが賛成なら構わない。キミもいい加減学習したらどうなんだ？」
沙織「ほほほ、あなたの悪巧みなど通用しませんわよ」

デスマスク「俺か・・・？俺の方が悪なのか・・・？」

ムウ「アテナ、言葉だけを巧みに摩り替えただけでは、私は落とせませんよ。時給ゼロ円だなんて納得できません」
デスマスク「ほら！みんながみんな、アテナに従うってわけじゃねえ！考え直せ！」
沙織「ムウ、あなたはきっとそういうと思ってました。ですので、対策は用意してあります。耳をお貸しなさい」

ゴニョゴニョゴニョ。

沙織「ムウ、協力してくださいますね」
ムウ「ええ、もちろんです。アテナ。アリエスのムウ、グラードパークに全力を尽くします」

何を言ったんだ――――――！？

沙織「他の方も意見はございませんね？」
デスマスク「ある！あるわ！」
沙織「ああ、あなたは本当に良い方ですね。無給の上、二十四時間働いてくださるなんて」
デスマスク「・・・・・・・・・・は！？」
沙織「嬉しいですよ。よろしくお願いしますね」
デスマスク「ちょ、ちょい待て。なんだその二十四時間ってふざけんなよ」
沙織「極めてマジですよ。デスマスク、一応スタッフには昼に弁当がつきますけど、それもなくていいですか？」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

沙織「皆さんも、生きていくには賢い方が得ですよ」

ニッコリ。

これが脅迫でなかったら何と言うのだろうか。

デスマスク「二十四時間働いてやるんで、飯はください・・・・」
沙織「よろしい。最初からそう言えばよかったのです。それではグラードパーク、よろしくお願いしますね！あ、ちなみに十二月いっぱいまでやりますからね★」

前置きが長くなりましたが、グラードパーク、開園に至るまででした！
どうぞ、お楽しみくださいませ！

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