男オンリーのおままごと！

星矢「っだ〜〜！！緊張する〜！」
紫龍「お前が緊張してどうするんだ」

お嬢様グランプリの取材の日がやってきた。郊外に用意された一軒家に集まった青銅５人＋・・・

ダイダロス「ふぅ・・・都会は空気が悪いな」
瞬「先生、ここで空気が悪いっていうなら、都心にでたら死んじゃいますよ」

アンドロメダ島から急遽来日したダイダロス先生と（やった！初登場！）

アフロディーテ「取材って言うから、ちょっと気合いれてみたんだけどどうかな？」

一輝「気合いれすぎだろ。お蝶婦人か貴様・・・」

バラ柄のワンピースを着て、華やかにルージュをひいているアフロディーテがいた。

瞬「すみません、先生、こんなことをお願いしてしまって」
ダイダロス「大事な弟子の頼みだ。父親役の一つや二つ、お安い御用だ。いや、６年もお前の成長を見守ってきたんだ。おこがましいかもしれないが、私はお前の父親のつもりでいたぞ」
星矢「しびれるぜ、ダイダロス先生！大丈夫！先生は立派な瞬の父さんだよ！」
ダイダロス「そうだろうか・・・？」
星矢「そうさ！！世界中に子供作って飛び回ってた奴よりずっと父親らしいって！！」
瞬「確かに、生みの親と育ての親どっちとるって言われたら間違いなくダイダロス先生とるだろうしね・・・」
アフロディーテ「残念だ、アンドロメダはパパッ子なのだな。ママには懐いてくれないのか」
ダイダロス「す、すみません・・・」
アフロディーテ「あなただって、妻より娘の方が大事なんでしょっ！こんなバラ好きの派手な年増よりは、清純そうなピチピチの小娘の方がいいんだものね！！」
ダイダロス「い、いやそんなことはありません。あなたの気高さや強さは誰よりも尊敬しております！それに、瞬は私が守らねばいけないほど弱い人間ではありません。私の聖衣を吹っ飛ばすくらいの胆力があります」
アフロディーテ「うむ、それは知っている。十二宮編で、唯一私怨を露にして戦った人間だからな。ぶっちゃけて、私との戦いは私闘そのものだよな」
ダイダロス「１番怒らせたら怖い人間ですので」
アフロディーテ「それは身を持って知っているよ。アンドロメダこそ、眠れる獅子だね」

星矢「なんか、庇われてるんだか、愛されてるんだか、けなされてるんだか分からないな」
瞬「うう・・・ごめんなさい・・・」
紫龍「一輝の弟だからな。一輝だって瞬には敵わないだろう」
一輝「・・・・・・・・・」

氷河「無言ってことはYESってことだな」

瞬「みんなだって、泣いたり怒ったりしてるくせに・・・！紫龍だって、デスマスクをボコボコにしてるじゃない！おまけに脱いでるし！」
紫龍「春麗の前では脱いでない。むしろ、春麗の方が真っ裸になっていた」
瞬「そんな危ない発言しないでよ・・・；；」

アフロディーテ「アンドロメダ、私の事はお母さん、またはママ、もしくはマダムアフロディーテと呼ぶんだぞ」
瞬「なんか、どれも嫌だな・・・」
アフロディーテ「仕方ないだろ、キミのお母さん役なんだから。お母さんを呼び捨てって方がありえないだろ」
星矢「げ！もしかして、俺もアフロディーテを母さんって呼ばなくちゃいけないってわけ！？」
アフロディーテ「こんな昭和の熱血少年が息子なのは嫌だが、まぁ、仕方ないな。ダイダロスに似た事にすればいいか」
一輝「クソババアで良いか？」
アフロディーテ「はは、反抗期かな。そんな口を聞くような息子はブラッディーローズで教育しなおさないといけないな」
一輝「はっ、笑止千万。そんな植物など我が鳳翼天翔で燃やし尽くしてくれるわ」
瞬「ま、待って！！ここを灰にするのだけはやめて！！沙織さんに怒られちゃう！！」

見るからに新築の家を一瞬で燃やしてしまうなんてとんでもない。
そして、そんなとこをお嬢様グランプリの記者に見せるわけには絶対いかない。
必死で止める瞬なのだった。


記者「こちらが、全日本大和撫子杯で優勝された瞬さんのご自宅ですか！素敵ですね〜！」
アフロディーテ「ほほほ、そうでございましょ」
記者「はっ、もしかして、あなたは瞬さんのお姉さま！？」
アフロディーテ「いーえー、母でございます」
記者「母！！なんてお若い！！」
アフロディーテ「ほほほ、なんたってまだにじゅう・・・」
記者「にじゅう？」

ヤ、ヤバい・・・！！

星矢「二十代に負けないスキンケアをしているって言いたいんですよ！！な、なあ、か、か、母・・・さん」
アフロディーテ「そ、そうざますわねえ」
記者「そちらの方は弟さんですか？」
星矢「そう！！姉さんに寄り付く虫は俺が排除してやるぜ！！」
記者「まぁ！！なんてお姉さん想いなんでしょう」
星矢「あはは、マジ姉さんに恋人できたらどうしよう。魔鈴さんが姉さんだったらアイオリアとの仲も祝福できるけど、姉さんとアイオリアは絶対許さねえ・・・」
記者「アイオリアさん？瞬さんの恋人はアイオリアさんとおっしゃるんですか？」
紫龍「違います！！その姉さんは別の姉さんです！！」
記者「まぁ、瞬さんにはもう１人お姉さんがいらっしゃるのですか」
紫龍「そうです！！」
記者「じゃあ、そのお姉さんとアイオリアさんが恋人なんですか」
星矢「違います！！断固違います！！アイオリアは魔鈴さん一筋です！！姉さんと別人で本当良かったです！！」
記者「・・・なるほど・・・お姉さんを大事に思ってることは良く分かりました。皆さんご兄弟なんですか？」
星矢「ああ！！熱き血潮の兄弟だぜ！！」
紫龍「星矢、お前少し黙ってろ。ボロがでかねない」
記者「そちらの金髪の方もご兄弟ですか？」
氷河「もちろんだ。半分だがな」
記者「半分・・・？失礼ながらハーフでいらっしゃいますか？」
氷河「そうだ。俺はロシア人とのハーフだ。マーマの名はナターシャ」
記者「・・・え・・・？」


どあああああ！！


紫龍「説明します！！ロシア人とのハーフとは、日本のロシア市出身とのハーフって言いたいんです！！あるでしょう！！南セントレア市とか！！そういった類のです！」
記者「日本にロシア市ってありましたっけ？」
紫龍「世の中には『ないことを証明する事の方が難しいんです！！』」
記者「ああ、確かにそうですね」
紫龍「金髪は彼の趣味です！！俺のチャイナ服も趣味です！！グローバルな活動を心がけているので！！」
記者「なるほど！！国際化に対応しているんですね！！さすがアテナ会の皆様！！」

つ、疲れる・・・。

記者「お父様は・・・あ、あなたですか？」
一輝「う・・・い、いや・・・」
記者「大変失礼致しました。おじ様でいらっしゃいますか？」
一輝「・・・・瞬の兄なんだが・・・」
記者「まぁ！！！重ね重ね失礼致しました。大変貫禄がおありになるものですから。どうぞお許しください！」
一輝「いや・・・別に・・・」
記者「随分歳の離れたお兄様ですね。おいくつ離れていらっしゃるんですか？」
一輝「・・・・・２つだが・・・」
記者「まあ！２周り！！」
一輝「いやいや、２歳だ」
記者「え！！！ってことは、１５歳でいらっしゃるんですか？」
一輝「戸籍上はそうなってるな」
記者「申し訳ありません！先ほどから失礼な事ばかり申しあげてしまいました！」
一輝「いや、慣れてるからいい」
記者「巷に草食系が溢れている中、こんなカッコイイお兄様がいらっしゃるなんて・・・。瞬さんの男性を見る目は厳しそうですね」
一輝「まぁ、そうだな。男性にはそんなに優しくないからな」
記者「こんな素敵なお兄様に囲まれていらっしゃるからですね」
一輝「最も清らかな魂を持った瞬を傷つける輩は俺が許しはしない。即、鳳翼天翔だ」
記者「ほーよくてんしょー？」
瞬「武闘の技です！！がぶり寄りとか、一本背負いとかあるでしょ！！そう言う類のです！！」
記者「なるほど！！」

相撲と柔道と、鳳翼天翔ってジャンルが全然違いすぎると思うが。

記者「となると、お父様はどちらでしょうか・・・」
ダイダロス「あ、はい、一応私です・・・」
記者「まぁ、なんて精悍なんでしょう。たくさんのお子さんがいらっしゃるようですが、やはり一人娘の瞬さんは特別可愛がっていらっしゃいますか？」
ダイダロス「そうですね・・・。瞬は女性よりも女性らしいというか、正直ジュネの方が勇ましくて蛇を片腕で捻り殺せましたから、砂漠のオアシスのような存在でしたね。ただ、その優しさが命取りにならないか心配でしたが・・・」
記者「まぁ・・・優しさが命取りになるようなことがおありだったんですか？」
ダイダロス「少ない飲み水を傷ついた鳩にあげたり、他の訓練生に毛布を譲ってやったりと、ナイチンゲールのような少年でした」
記者「・・・・・少年？」
アフロディーテ「記者さん！うちは武闘を専門にしておりますでございましょ？女も男も関係なく『少年』でくくるんですわ。広辞苑をごらんになって！家庭裁判所では、少女も少年って呼んでますわ！！」
記者「な、なるほど！！！武闘の前では息子も娘も関係ないとそうおっしゃるのですね！！」
アフロディーテ「そうなんざます！！！」
記者「深いです・・・！強く美しく教育していらっしゃるのですね！！そうだ、知り合いに『５分間で分かる気深い話』のプロデューサーがいるんですが、今回のことを世界に広めませんか？」



断固、拒否します！！！


光速で一致したアテナ会なのだった。



記者が帰って３０分。心身ともにボロボロだった。
アフロディーテ「無事に終わったざますね・・・」
瞬「ほんっと心臓に悪かった・・・みんな正直すぎるよ」
星矢「車田に演技なんて不可能って知ってるだろ」
瞬「デスマスクがいるじゃない・・・」
紫龍「アレは演技とは思えん。毎回、素だと思う」
アフロディーテ「残念だけど、私もそう思うざます。裏切りの振りをしてるんじゃなくて、その時点では文字通り裏切ってると思うざますよ」
星矢「大丈夫か、言葉が戻らなくなってるぞ」

数ある聖戦よりも疲れきった聖闘士たち。
その結果は、翌月のお嬢様グランプリにあらわれる。
うま〜く編集されて、とても仲の良い家族が描かれたのだった。

余談だが、アフロディーテの名はナターシャになっているのだった。
（氷河が、マーマの名はナターシャと公言してしまったため。）




あとがき
お嬢様グランプリ編アップしました〜！！初ダイダロス先生です！！
私はアルビオレ先生よりは、ダイダロス先生派です！！
確かにアルビオレ先生は美形だけど、そーゆーもんじゃないと思うんだ、先生とは！
アフロディーテも『ざます』語が使えておもしろかった。『ざんす』語とはまた違いますな（笑）
これからどうなるのか、さっぱりわからないけど、ドタバタ楽しく書いていけたらいいなｖｖ


ＢＹ　　ＭＵＴＵＭＩ