アテナ会、緊急出動！！？







青銅「ええ！家宅捜索！？」

沙織「違います。取材です」


瞬が、全日本大和撫子杯の頂点に立った数日のこと。数多の女性の中から選ばれた瞬を、世間が放っておくはずがなく、代理人の元に取材が舞い込んだのだった。

星矢「断れないのかよ、沙織さん！」
沙織「この雑誌だけは断れないのですよ。お嬢様グランプリだけは敵にまわすわけにはいかないのです！」
瞬「お嬢様グランプリって？」
沙織「上流階級のお嬢様だけが購読を許される雑誌です。皆さん、ご存知でしょ？」
一輝「んな雑誌が存在することすら初めて知ったわ」

沙織「え、みんな、『今月のお嬢グラ読んだ？』って言ってますけど」


氷河「ジャンプ読んだ？って軽いニュアンスで言わないでくれるか？」
沙織「恐ろしい、お嬢グラに楯突いて消えたお嬢様がどれだけいるか」
星矢「そんなにすごいの？お嬢グラって」


沙織「そりゃもう！財界を女子校に例えると、私たちはその学校の生徒。お嬢様グランプリは、学校をとりしきる生徒会なのです！」

紫龍「わかりにくいけど、とにかくすごい組織っていうのは分かりました」
星矢「でもさ、瞬の場合、表舞台から姿を消した方がいいわけだし、断った方がありがたいんじゃ・・・。」
沙織「代理人もろとも姿を消すことになりますけどそれでもいいんですか？あなた方の食い扶持は誰が稼ぐんです？」

星矢「ぬああああ！それは困る！瞬〜、頑張ってくれ〜！」

食いしん坊代表が瞬に抱きついた。車田涙を流しながら、想いを吐露する。


星矢「俺、毎日最低三杯は飯が食いたいよう〜！アスガルドみたいな氷飯の暮らしは嫌だあ！」

瞬「う、うん、わかるよ。あれは食事じゃないもの」


氷飯とは、アスガルド名物の氷の結晶でできた米のことである。
他にも、水に氷を浮かべた氷スープなど、非常にヘルシーすぎるメニューが存在する。


瞬「沙織さんと、星矢のお腹のためにも取材喜んでお受けします！」
星矢「おお！ありがとう瞬〜！」
瞬「嬉しいのはわかったから、そろそろ離れて。涙と鼻水でベトベトだよ・・・。」


裸サスペンダーじゃなくて良かったと胸をなでおろす瞬なのだった。


沙織「取材コンセプトが、瞬の源流を探る！みたいなので、家をみたいらしいんです。両親にも話を伺いたいとか」


星矢「初手から崖っぷちじゃん。俺ら、沙織さん家の敷地内に住んでるじゃん。」
沙織「家は、用意できます。郊外に家を買いましたから、そこに住んでることにしてください」
氷河「俺達も一緒に住んでることにすればいいんだな」
沙織「そうですね」
星矢「ぐっは〜、瞬のこと姉さんって呼ばなきゃいけないのか〜！なんか、じんましんでてきそう！」
瞬「僕だってそうだよ。てか、僕のこと兄さんって呼んでくれたっていいんだよ？君、僕の方が年上だって頭にないでしょ？」



ない！！



瞬「潔くていっそ天晴れだよ」
沙織「で、お父さん役なんですが、ダイダロスにお願いしました」
紫龍「瞬の育ての親ですから、ぴったりじゃないですか」
氷河「ちょっと待て。ダイダロスは19歳だぞ。計算が合わなすぎる」
沙織「大丈夫です。黙ってれば30オーバーは確実です！」




・・・・・・・・確かに・・・。

星矢「19歳の方が詐称してるみたいだもんな」
一輝「母親はどうするんだ？瞬の可憐さ、素直さ、純真さを兼ね備えた女じゃないと認めんぞ」
星矢「一輝・・・。兄バカ全開すぎだぞ」
沙織「聖域は女性が少ないですからね・・・。魔鈴やシャイナでと思ってましたが、一輝の意見をとりいれて、アフロディーテで行こうと思います」



マジで！！？


星矢「そこで、男が来るわけ！？」
沙織「美しさや風流を解するのは彼しかいませんから」
一輝「そりゃそうだが、それじゃアンドロメダ島の関係者だろ。殺伐とするぞ」
沙織「大丈夫ですよ。二人の間にはわだかまりはありません」
紫龍「どうしてですか？」
沙織「お互い、自分の信じる道を貫いたのです。だから、恨まないでほしいって言ってましたよ」


・・・・・。


瞬「流石だな、ダイダロス先生。成人式で暴れまわって逮捕される新成人の二回りくらい大人だ」
沙織「ただ、ジュネは出会い頭に挑みかかりそうなので、今回のキャスティングには外してくれって言ってました」
瞬「確かに・・・。ジュネさんの怒りは半端じゃないですからね」
沙織「というわけで問題はありませんから、これでいきますね」


瞬「はい・・・！となんでか言い切れない釈然としないものを感じる」
氷河「ママが男ってところが片付いてないからじゃないか・・・？」


一輝「当日はどうしていればいいんだ？」
沙織「写真と軽いインタビューみたいなので、普通にしてて大丈夫ですよ」
星矢「そうか・・・。だったら、なんとかなるかな」


沙織「答えにくい質問だったら、俺ら、日本語分からないで通してください」



一輝「ちょっと待て。バカにするつもりか！」


沙織「バカにはしてません。実際、氷河はロシアにいた時間の方が長いですし、皆さんだって日本で暮らしてたのはうちに引き取られるまでじゃないですか。一応、アテナ会は世界を股にかけて活動する組織で売ってますから、おかしくありません！」
星矢「なんかもう、いっぱいいっぱいだな。正しいところを探す方が難しいくらいだ。頑張れよ、瞬」
瞬「大丈夫だよ。サクリファイスに比べたら、こんなのチョロいから」
星矢「頼もしいな。俺、自信ないよ・・・」
瞬「じゃあ、ずっと寝てれば？スターヒルでの時みたいに」
星矢「それはヤだ・・・」



お嬢グラの取材を上手くかわすことができるのか・・・。
それは神様にも分からない・・・。



あとがき
170000番のニアピン賞はakiraさんでした〜！！リクエストは、瞬の女装シリーズでアテナ会が活躍する話・・・！でした。このシリーズもだんだんわけ分からなくなってきてますね〜（笑）お嬢様グランプリは架空の雑誌ですよ〜。序章っぽい感じだけど、続きを書くかは未定。コスモが充満したら書きますっ！初ダイダロス先生とかオモシロそうですもんね（笑）





BY　　MUTUMI