ＡＴＮ８８商法！


沙織「あなた達のおかげで、お嬢グラのインタビューの魔の手から瞬を守ることができました。ありがとうございます」
星矢「瞬は俺達の大事な兄弟だぜ！瞬が窮地に立たされているところを助けないわけにいかないだろっ！」
ダイダロス「あんな受け答えで大丈夫だったのか、田舎者の私には少々わかりかねるのですが・・・」
沙織「大丈夫です。その証拠に・・・」
ダイダロス「証拠に？」

沙織「瞬宛てにたっくさんのお見合い写真が届いてしまいました！！」




な、なんだってええええええ！！


星矢「見合い、見合いって！！」
沙織「先日のお嬢グラの記事を見て、ぜひとも嫁に欲しいという方がゴロゴロ現れましてね。代理人の私に写真が届いたのです」
氷河「それ、大丈夫なのか？」



沙織「ヤバイです」


紫龍「ですよね・・・」
一輝「そもそも、よく考えれば、大和撫子杯優勝、お嬢様グランプリインタビューって流れって、シンデレラストーリーの定石みたいなものだよな。グラビアかアイドルになってても不思議じゃないな」

星矢「でも、それって、女の場合だろ！？瞬は女の振りした男だぞ！！ますます状況ヤバくなってるじゃねえか！！」
アフロディーテ「アテナ、私へのスカウトはありませんでしたか？」

沙織「残念ながら」

アフロディーテ「くっ・・・！！」

星矢「こら、別展開期待してるんだよ。そもそも、アンタ、人妻設定だろ。アダチさん家のお母さんみたいなことやめてくれよ」
ダイダロス「しかし・・・どうすれば・・・。瞬は男なので、受けるわけにはいきません。全部断るしかありませんよね」
沙織「それが・・・」
星矢「なんだ、またあるのか！！？」
沙織「アテナ会はここ数ヶ月でポッとでてきた家柄です。いくら私の親戚という設定とはいえ、名門の家柄の申し出を門前払いなんて、大変失礼です」
一輝「上流家庭ってのはプライドばっかり高くて困るな。食えもしないプライドを大事にして、何が嬉しいんだか」
沙織「更に！見合いの家柄の中には、ソロ家の名前も！！」
紫龍「ソロ家って・・・！あの、ジュリアン・ソロ！？」
沙織「いいえ、ユリアン・ソロです」

誰！！それ！！？

星矢「ケンシロウの彼女！？」

一輝「バカ、それはユリアだ」

沙織「ジュリアン・ソロの従兄弟だそうですよ。瞬に一目惚れとか」
星矢「あそこの家系はホントに顔に弱いよな〜。怒らせたら怖いヤツラばっかり好きになりやがる」
沙織「ジュリアンからも

『ふ、私が義兄さんと呼ばれる日も遠くないですね。どうでしょう、いっそ、合同の結婚式というのは？』

というバカな手紙が届きました」

一輝「・・・で、それどうしたんだ？」

沙織「燃やしました。跡形もなく」

星矢「容赦ないな、沙織さん・・・」
沙織「アホは相手にしないに限ります」
ダイダロス「むぅ・・・そんなアホが私の愛弟子の見合い相手などとは、とても認められない。見合いをどうしてもしなければならないのでしたら、こちらである程度振るいにかけさせて頂きたい」
アフロディーテ「ふ、ダイダロス。いや、アナタ、私達はなんだ？」
ダイダロス「え・・・聖闘士・・・ですか？」

アフロディーテ「違う。私達は、瞬の両親！！夫と妻だ！！これを使わない手はない！！」

星矢「そうえいば、こいつら夫婦なんだっけ・・・」
紫龍「俺らは２人の子供だしな」
一輝「はっきり言って、本当嫌だ・・・」
アフロディーテ「私達アテナ会が、瞬にふさわしい相手か大々的にオーディションするざます！勝ち残った相手こそが、瞬の見合い相手として認めるざます！」
星矢「それいい！！見合い相手をボッコボコにしてやろうぜ！！」
紫龍「お、おい、聖闘士は私闘は禁止だぞ」
星矢「聖闘士してじゃない！俺らは瞬の兄弟として、見合い相手をボコボコにするだけだ！聖闘士の掟にまったく違反してないぜ！」

一輝「そもそも、お前、聖闘士の掟、守るつもりないだろうが・・・」
氷河「お前に言われたくないと思うぞ」

沙織「それはいいですね！！ようし、まずはお見合い参加兼付き写真を売ります！！複数買い可！！」
ダイダロス「複数買って特典は何かあるのですか？」
アフロディーテ「プロポーズに使える言葉が一文字ずつ増えるざます！！」
星矢「ひ、ひでえ！！『結婚してください』って言いたいなら最低８枚買わなきゃいけないのかよ！！」
紫龍「しかも、結局、見合いは断るんだろ？最初から負けが決まった出来レースだな・・・」
一輝「・・・・・・・・・」
星矢「あれ、一輝どうした？」
一輝「いや、ちょっとな」
アフロディーテ「これを名づけて、ＡＴＮ８８商法ざます！！アキモトだって、こんな商法思いつかないざますよ！！」
沙織「この売上げはグラード財団の財源にしましょう！！男どもの懐、いただきです！！」
ダイダロス「私達は体を鍛えるぞ。一般人に負けるなど、あってはならないからな」


瞬「本当、僕のために真剣に議論してくれて嬉しいよ・・・。僕が口を挟む隙間もないくらいに・・・」


円卓で熱く盛り上がっているアテナ会に、ホロリと涙をこぼす、当事者の瞬なのであった・・・。



あとがき
久しぶりの更新は、瞬の女装シリーズです！！というかは、瞬の受難シリーズのような感じになってきましたが。由梨ちゃんどこ行った（笑）
ダイダロスとアフロディーテの組み合わせ、案外面白くて好きになってきましたｖ
勝手に捏造のユリアン・ソロ！次回、忘れてなければ登場します！！
女装シリーズが一番、シリーズらしく、次回に続く構成になってる気がするなぁｖ
次回をお楽しみに・・・！


ＢＹ　　ＭＵＴＵＭＩ