台風がくる前には

ジジィ達の華麗なる企み

童虎「のう！！！シオン！！！手土産は何がいいかの！！」
シオン「何の手土産だ？」
童虎「それはもちろん、龍峰に渡す手土産じゃ！！」
シオン「・・・お前、一週間前に会いに行ったばっかりだろ」
童虎「だからなんじゃ！同居を涙を飲んで諦めたんじゃ。せめて会いに行くくらいいいじゃろ」

シオン「お前は姑か。耐えろよ」

童虎「ムリじゃ！！」
シオン「何でだ。２４０年以上五老峰で1人でいられたくせに」
童虎「それとこれとは話が別じゃ！！愛娘とも愛弟子とも離れ、孫弟子とは滅多に会えん！！寂しくてしょうがないわい！！」
シオン「お前、今1人暮らしなのか？」
童虎「そうじゃ。このまま1人で死ぬなんて嫌じゃ～～！」
シオン「だだッ子か。私は1人で死んだぞ。殺人の上、葬式すらなかったんだ」
童虎「まぁ、確かにそれよりはマシとは思うが・・・。わしは、紫龍や春麗、龍峰に見守られながら、愛するメッセージを一人一人残しながら逝きたい！」

シオン「アリアか！！わがままな奴め」

童虎「シオンは会いたくないのか！！」
シオン「ムウにか？ふ、私はお前と違って、やたらに会いたいなどとは思わん」
童虎「ムウではない！」
シオン「貴鬼か？まぁ、奴は可愛いけどな。ムウと違ってひねくれてないし」
童虎「貴鬼でもない！」
シオン「・・・私の身内で他にいたか？」

童虎「羅喜じゃ！！」

シオン「むぅっ！」

童虎「おぬし、羅喜に会ったことがあろう！！わしもこの間会った！！」
シオン「・・・隠居したのをいいことに、やたらいろいろ歩き回ってるなお前。でもまぁ・・・確かに羅喜は可愛いな。私はずっと男所帯だったから、女の子っていうのに慣れてなくてな。いや・・・しかし・・・可愛かった」
童虎「じゃろう！！」
シオン「この間は手土産を持っていかねばと思って、クマのぬいぐるみを持っていってな。そうしたら、ものすごく喜んでくれて。『ありがとうございますなのだ、シオン様！』って女の子らしい高い声でな。ヤヴァイ、萌える・・・！と思ったものだ」
童虎「じゃろじゃろ！！」
シオン「先週は服を持っていってな。あやつら、いつまで経っても民族服でな。可哀相だと思って、デパートで買っていったピンクの花柄フリルのワンピースを持っていってな『私、こんな素敵なお洋服着るの初めてなのだ！！うれしいです、シオン様！！』って言ってワンピースに袖を通してくれたんだ」
童虎「やっぱり女の子っていうのは着飾りがいがあるよなぁ。わしは貧乏じゃったから、春麗にろくなものを買ってあげられなかったが・・・髪飾りとかよくあげたもんじゃ」
シオン「髪飾りといえば、一昨日は羅喜にリボンをプレゼントしたんだ。髪も雑にくくってるだけだから、良いものを贈ってやろうと思って。羅喜はそれは喜んでくれてな。私が三つ編みにしたら、もう赤毛のアンみたいになってな。絶対ギルバートにはやらん！！と思ったもんじゃ」
童虎「わしも、春麗は紫龍以外にはやらん！！と思った！！気持ちは一緒だな！！」
シオン「龍峰には春麗みたいな幼なじみはいないのか？」
童虎「おらんな。翔龍という血の繋がらない兄はおるが・・・」
シオン「じゃあ・・・パライストラの生徒と恋に落ちるかもしれないな」

童虎「な、なにいい！」

シオン「そうだろう？寝食を共にしていれば、情が湧くのは必然。しかも、顔よし、性格よし、家柄（聖闘士的に）よしの三拍子そろってもてない筈がない」
童虎「そ、そんな・・・！！わしの可愛い龍峰が悪女にひっかかるなんて！！」
シオン「悪女って；；」
童虎「わしは基本、強い女が好きじゃ！！龍峰に敗れて『強いわね、龍峰くん♪キャｖｖ』なんて言う女なんてゴメンじゃ！！」
シオン「お前の養女も結構健気で良妻賢母タイプじゃないか？」

童虎「あれは違う。あれは地上最強の女じゃ。わしに向かって『恨みます』発言に、デスマスクを祈りで追いこみ、風と共に紫龍の元にテレポート、龍峰の危機を遥か彼方の五老峰から察知・・・と常人では真似できぬことを次々とやっている」

シオン「・・・・・確かに」
童虎「あれほど強い女は他にはおらん。わしは春麗以上に強く優しい奴じゃないと認めんぞ！！」
シオン「聖闘士の女は大概強い女が多いけどな。魔鈴とかシャイナとか、パブリーンとかパラドクスとか」

童虎「年の差はプラマイ５歳まで！！」

シオン「ワガママすぎるぞ。お前、今誰かと恋したら２００歳以上の年の差のくせに」
童虎「というわけで・・・」
シオン「何がというわけなんだ？」
童虎「おぬしのとこの羅喜を、龍峰の婚約者として迎えたいんじゃが！」
シオン「はぁ！？」

童虎「龍峰と羅喜なら、年のつりあいも丁度いい。龍峰は大人しいからの、羅喜の明るさは合うと思う。春麗も気に入ると思うしな。おぬしだって、羅喜を独身のままでいさせるつもりはないじゃろう？」
シオン「そりゃまあ、いつかは嫁がせたいとは思うが・・・」
童虎「龍峰と結婚すれば、家庭に入りつつ聖衣の修復をすることができる！！」
シオン「確かに・・・。どこぞの馬の骨に持っていかれても困るしな」
童虎「じゃろじゃろ！！」
シオン「婚約はまだ早いから考えられないが、お互いが好きになれるよう力を貸そう」
童虎「やった！！ようし、やる気出てきたぞ！！楽しい余生を送れそうじゃ～～！」

余生っていつまでなんだよっ・・・！！

貴鬼「・・・・・・ゾクッ・・・・！！」
羅喜「どうしたのだ？貴鬼様」
貴鬼「いや・・・なんでもないよ羅喜」

ジジィの華麗なる大暴走、果たして止められるか―――！！

あとがき
え～、Ωベースですが、例の如くみんな生き返っております。サガとかリアとかその辺どーなるのかはもう訳わかりませんが、なんとかツジツマつけてみせましょう。もう全員、政務官ってのでもいいかねえ？
チャンピオンを見たばかりなので、NDの設定も、ちこっといれちゃいました。NDでも仲良し夫婦してましたねｖｖ翔龍か～ｖｖ血の繋がらない兄さんですねｖｖ翔龍は聖闘士にならないで、お母さんを支えてあげてるといいな！
できればカッコ良くなって欲しいです、翔龍。赤子だから仕方ないけど、あの髪は・・・。でもわかる。チビの頃ってああやって結ぶんですよ。サザエさんや、金太郎になってる女の子、山ほど見てきてるので。
これ、続くかもしれません。
大人な貴鬼を書くの、楽しみですｖｖ

BY　MUTUMI