迷惑なお告げ

イオ「スキュラのイオふっかあああああつ!!!」
バイアン「・・・・・おめでとう。」
随分と健康になったものである。流石一流病院。
イオ「これからもバシバシ仕事するのでよろしく！」
カーサ「ほどほどにな。」
ワーカーホリックもバージョンアップしたようだ。まるで95からXPになったように。
イオ「クリシュナから詳しい事は聞いた。副業を始めたそうだな。」
バイアン「ああ。姉からアドバイスももらって、結構高級な機械を買ったが、おかげで楽にできる。モデルの妨げにはならないから安心しろよ。インターネット販売をしてるが、早速注文が入った。来週までに百個作る。」
カーサ「カナダドールデザイナー大会優勝者の助言があったとはいえよくそんなに注文がくるな。」
アイザック「バイアンがモデル活動してるからだろ？」
カーサ「そりゃそうだが・・・・」
イオ「私がホームページを作ったからだ。」
海将軍「はい!?」
イオ「私が病院にいる間何もしてないと思ったのか!!内ノブを壊されて、トイレのたびにナースコールをして、ちょっとナースから嫌われて・・・自由になれなかったのだからな。」
アイザック「そりゃすまんかった。」
イオ「やはり活動をするならHPもやったほうが良いと思ってな。副業もやってまーすというのが主体のHPだ。」
流石、海将軍一のワーカーホリック。時間の使い方が実に上手い。
アイザック「ちょ、ちょっと見せてみろ。」
イオ「ほれ。」
イオがパソコンを立ち上げてHPを見せる。
イオ「サイト名はポセイドンの名の元に。芸能部、写真集部のメンバー紹介とアイザックのコーナー氷工房クラーケン。カーサのコーナー魔法ショップリュムナデス。バイアンのコーナードール工房シーホース。既に10000ヒット超えた。」
アイザック「・・・・・・どおりでこのところ仕事量が増えたはずだ。」
カーサ「流石だな、イオ。」
イオ「ありがとう。が、しかし、皆副業を持っているのに私だけ写真集しか作っていないのは聊か問題だ。今回は私の副業について話したいと思う。皆、私にあいそうな副業を教えてくれ。」

バイアン（・・・・・・これ以上仕事したらこいつは死ぬ）
アイザック（過労死するのも時間の問題だ・・・・）
カーサ（できれば仕事しないで欲しい・・・・）

イオ「何だ思いつかないのか？」
アイザック「あのさ・・・・・俺達は全然無理じゃないから副業してるんだ。できる限り睡眠とってるし、俺の場合できない場合注文断ってるし。今月はもう一杯一杯で20件近く断った。」
イオ「そうか。アイザックは小宇宙を燃焼するからな。しょうがあるまい。」
バイアン「私達も、モデル以外することはない。実際一月に一週間くらいしか働いていないしな。私は人形作りが得意な姉がいるし、私も嫌いじゃないし、結構得意だ。だから、ドール工房は無茶じゃない。」
カーサ「俺も以下同文だな。俺の場合は一時期モデルすら危ぶまれたが、冥闘士と神闘士で時間が取れたし、黄金ももう慣れた。だから大丈夫。副業は機械が作ってくれて、後は呪文を唱えるだけだから、そこらの雑兵に頼んでも別に事は足りるしな。」
イオ「だから私も・・・・・」

海闘士「あんたは写真集だけで十分!!!仕事のやりすぎで入院したあんたに副業は無理!!!てか、させたくない!!!」

イオ「・・・・・・むう。確かに徹夜続きで入院してしまった。だからこそ迷惑をかけた詫びとして副業を始めようとしたのだが・・・・」
アイザック「イオ・・・・詫びだったら今日はもう寝ろ。」
イオ「まだ五時だぞ。」
カーサ「お前の睡眠ストックはあればあるほどいい。今寝ろ。どうせまた忙しくなるんだろ？」
イオ「まあな。神闘士の撮影も企画練っておきたいし。」
バイアン「だろ？マユの写真集も230万部の大人気で印税も入った。エスメラルダも、そろそろ結果が返ってくるだろうが、彼女の事だ230万は軽い。だから今は休め。いいな。」
イオ「・・・・・・分かった。甘えさせてもらうよ。」

すごすごと自分の柱のもとに帰っていくイオ。大人しく言う事を聞いてくれたのでほっと安堵した海将軍だった。


ほっと安心できたのは一夜だけであった。

プルルル・・・・・
電話の音。発信先はイオの柱の南太平洋の柱。ついでに、全員発信モードである。詳しく説明すると、これは小宇宙で電話回線を繋いでいるので、小宇宙の伸ばしようによっては全員と会話が可能なのだ。小宇宙によるテレパシーを機械で用いたと考えて構わない。二人で会話したいのならば一人に小宇宙を絞れば良い。

副業をゆっくりとやってた三人は、何やら嫌な予感を覚えた。

バイアン（何だか凄い嫌な感じがする・・・・）
カーサ（まだ突拍子もない事を言い出しそうだぜ）
アイザック（ったく。聖戦の時より輝いていやがる）


心配と不安を抱えながら仕事を一旦止め、受話器を手に取った。


イオ「おはよう、皆。」
カーサ「どうしたんだイオ。」
バイアン「全員発信電話なんて珍しいじゃないか。」
イオ「実は、寝ていたときポセイドン様がやってきたのだ。」
アイザック「ポセイドン様が？封印されている？」
イオ「そうだ。私が眠っていた時ポセイドン様が夢に現れたのだ。」
バイアン「で、何て？」
イオ「この地上にはまだスカウトできる人材がいると。」
カーサ「？全部スカウトしたじゃねえか。まさかゼウスの闘士とかいいださないよな。」
イオ「いや。馴染みのある闘士だ。」
アイザック「何だ？」

イオ「この世のプチ邪悪を一手にひきうけている、聖闘士の腐れマメ、暗黒聖闘士だ!!!!」

海将軍（何考えてんだポセイドン!!!!）

イオ「と、いうわけで、チケットとってデスクイーン島に行く。バイアン、共を頼むぞ。」

海将軍（やっとのことでワーカーホリックを休ませてるのに変なお告げでイオをやる気にさせるんじゃねえ!!!）


イオ「言いたいのはそこまでだ。わざわざ呼んで済まなかった。」

海将軍（今この人に何言っても無駄だ・・・・・）


力で捻じ曲げられるのは普通の人間の場合。ワーカーホリックに普通の意見をしても暴力で言う事を聞かせようとしても聞くはずが無い。仕方なく三人はそのまま受話器を下ろした。



受話器を下ろして最初に言った第一声は

「ポセイドンの大馬鹿野郎――――!!!!」
であった。無論、三人ともである。



あとがき
イオが復活しました。復活したのはいいのですが、ポセイドンのお告げの所為で新たなスカウトができてしまいました。暗黒聖闘士も生活が潤うと良いですね。イオ、倒れないようにね。ワーカーホリックもほどほどに。


BY　　MUTUMI