名探偵セイヤ 〜困惑のクリアウォーター〜
いつも通り、訓練をして、シャワーを浴びていたときのこと。
星矢は、バスタオルで体を拭き終えた一輝が、わずかに水滴の残る身体に何か透明の液体をピシャピシャと塗っているのを見た。
星矢「一輝、それ、なんだ？」
一輝「あ、これか？体の傷の治りをよくする水だ」
星矢「マジで！！俺にも貸して貸して！！」
一輝「ああ、いいぞ」
ピシャピシャ。
星矢「すっげ！！なんだ、これ。肌がもっちりして吸いつくようなんだけど！！」
一輝「だろ。これをつけると、肌の保湿力が高まり、細胞が元気になる。つまりは、ケガをしても直り易くなるってことだ」
星矢「すげええええええ！！一輝、お前、ずるいぞ。こんないいもの独り占めして！俺にもわけてくれよ！」
一輝「いいぞ。じゃあ、小瓶にわけてやるよ」
星矢「ありがと、一輝！！」
一輝に傷が治りやすくなる水をわけてもらい、ホクホク顔の星矢。
それが、一ヶ月前のことであった。
瞬「・・・なんか、星矢。妙に顔の色艶よくない？」
氷河「紫龍、お前、星矢に食べさせすぎじゃないのか？」
紫龍「おいおい、俺はここの主婦じゃないぞ」
乾燥しきった季節だというのに、星矢の肌はモチモチのツヤツヤである。心なしか、色も白くなったような気がする。
星矢「へっへっへ、傷が早く直る水のおかげだな」
瞬「傷が早く直る水？それって、命の水のこと？」
星矢「似てるけど、ちょっと違うぜ。ほらこれ！」
瞬「星矢・・・これ・・・」
星矢「へへっ、すげぇだ・・・・」
瞬「化粧水じゃない！！コレ！！」
星矢「はっ！！？化粧水！！？」
瞬「この水分を吸い込んでく感じ、間違いなく化粧水だよ！！」
氷河「ほほう、お前、女だったのか」
星矢「ちょ、バカ！！ちげえよ！！だって、一輝が持ってたんだぜ！一輝が化粧水なんて、なよなよしたもんつけるかよ！！」
瞬「確かに・・・硬派だもんね・・・。そんなのつけるなんて惰弱だって言いそう」
紫龍「星矢、この水、もうなくなりそうだけどどうするんだ？」
星矢「これつけると、すっげえ肌がツヤツヤして、ちょっとした傷ならすぐ治るんだよな・・・。新しいの欲しい」
氷河「一輝はどこで手に入れてるんだ？」
紫龍「そう言えば、どっかでかけてるな」
瞬「あ、沙織お嬢さんに呼ばれて、本館に行ってるんじゃなかったかな」
星矢「よっし、名探偵が一輝にカマかけてやるぜ！！もし、本当に化粧水だったら、きっと慌てふためくヤツが見られるぞ」
氷河「それは見てみたいもんだな」
星矢「この世の謎は俺が解決してみせる！女たらしと言われた父ちゃんの名に賭けて！！」
瞬「・・・ぜんっぜん自慢できることじゃないね・・・哀しいほどに・・・」
星矢「沙織お嬢さん！！」
沙織「あら、星矢。どうしたんですか？」
沙織の私室では、沙織と一輝が穏やかな雰囲気でソファに座っていた。
星矢「一輝！！」
一輝「お前、入る時はノックくらいしろ。何を怒ってるんだ、お前」
星矢「この化粧水、お前に返すぜ！」
一輝「そうか、お前の肌に合わなかったか。お嬢、やっぱり万人に合うなんて不可能だぞ」
沙織「そうですか・・・。難しいですね」
・・・・・ん？
瞬「・・・なんか、普通にスルーしてない？」
氷河「それとも演技か？」
星矢「一輝！！化粧水だぞ、化粧水！！お前が使ってるのは化粧水だろ！！」
一輝「・・・・・これ見てアクエリアスには見えんだろ？」
瞬「・・・確かに、これ飲んだらお腹壊すね・・・」
紫龍「というか、カマかけるどころか直球勝負になってきたな。まぁ、星矢だからな・・・」
星矢「ちなみに・・・俺に渡してたのは？」
一輝「化粧水だが？」
マヂかよ！！
星矢「お前！！傷を早く治す水って言ったじゃないか！」
一輝「合ってるぞ。細胞が潤えば、トラブルも起きにくくなる」
星矢「なんで、化粧水って教えなかったんだよ！」
一輝「化粧水だって言って、『傷の治りが早くなるんだな』ってすぐわかるか？」
星矢「わかるわけねえだろ！！恥ずかしい！！化粧水なんて、女のつけるものじゃないか！！」
一輝「誰が決めた」
星矢「・・・・・・・は？」
一輝「確かに化粧水は女性用化粧品と称されるし、モデルも女優が多い。しかし、皮膚は女にだけあるもんじゃない。男にだってあるだろう。男の皮膚はセメントか？」
星矢「いや・・・違います・・・」
一輝「皮膚の乾燥が良くないのは、知ってるだろう。女はダメで男はイイだなんて、とんだ話だ。男だって、皮膚に潤いが合った方がいいのは自明の理だ」
星矢「そりゃ・・・そうだけど・・・何がきっかけで使い始めたんだ？」
沙織「それは、私が・・・一輝の髭剃り負け用薬用ローションを借りたことから始まったのです」
・・・・・は！？
紫龍「名探偵でも想像つかないワードがでてきたな」
瞬「髭剃り負け用薬用ジェル・・・って！？沙織さん、何に使うわけ？」
沙織「私の足にです」
・・・・・はい！？
沙織「いつも、足の毛を剃る時は、専用シェーバーを使うのですが、どうしてもカミソリ負けしてしまう時があって。そんな時、一輝が髭剃り負け用薬用ローションを使ってるのを見て、借りたんですよ。顔と足、場所は違っても、効果は同じだと思って」
一輝「そしたら、思ってた以上に効いたんだと」
沙織「男の毛は女よりも剛毛で毛深いのです！！毛をそることに関しては、男性の業界の方がアフターフォローも豊かなのです。今まで塗った事がなかっただけあって、すぐつるっつるに治ったんですよ」
一輝「それで思ったんだ。お互い、違う世界だと思っていて、素晴らしい効能に気付いていないんじゃないかと。それで、いろいろ意見交換することになったんだ」
瞬「それで・・・化粧水に出会ったんですね」
一輝「グラード財団は化粧品も扱ってるし、モニターも兼ねてな」
氷河「体面を気にするタイプかと思っていたが、意外と柔軟なんだな。見直したぞ」
一輝「まぁ・・・前世代で、かなり前衛的なヤツがいてな・・・。アフロディーテとはまた全然違うオカマに出会ったのは、生まれて初めてだ」
沙織「星矢も化粧水欲しいですか？グラード化粧堂からの新作があるんですけど、使います？氷河と紫龍、瞬もどうですか？」
星矢「俺らのこと、変態野郎とか思わない？」
沙織「思いませんとも。私だって、一輝からいろんなのを教えてもらってるんですから。化粧水なんて言うから、気持ち悪く思うんですよ。これは、肌の調子を整える水です。あなた達みたいに、健康であることが大切な人達には、肌だって手入れすべきです」
星矢「・・・そ、そうだよな！！これを使えば、剣だって、筋肉で止められるかもしれないもんな！！」
紫龍「・・・そこまで超人的な効果はないとは思うがな・・・」
星矢「くれ！！沙織さん！！今まで一輝からもらったのをチョビチョビ使ってるだけだったんだ。だから、バンバン使いたいぜ！」
沙織「ええ、勿論です。あなた方のおかげで、新しいビジネスチャンスを得られました。さあ、2014年は男性用化粧水をバンバンアピールしていきますよー！！」
それから一ヶ月後、もっちもちのすっぺすぺ肌になった青銅５人が、春の新作化粧水のCMに起用されるのであった。
あとがき
久々の季節ネタ〜！コナンの映画もやってることですし、少し謎かけみたいな？でも、ちっとも謎解きになってないですね（笑）まあ、星矢界だからしょうがないね（笑）タイトルはコナン映画っぽくしてみました（笑）
しまった・・・決め台詞が金田一パロだった（笑）うん、いいや！！金田一復活記念も兼ねる事にする（笑）
私は長い事乾燥肌で、かゆみとかきこわしに悩んでいました。そんな時、ふとあるシリーズの化粧水に出会って、肌が一変！！しっとりもちもちになって、かゆみもおさまり、それに伴って、かきこわすことも殆どなくなりました。かゆいときはあるけど、昔に比べたら１０分の１です！！
その会社は、化粧水だけじゃなくて、シャンプー、ボディー石鹸、クレンジングと揃ってるので、全部そのシリーズに変えてしまいました。もうこれで、化粧水ジプシーしなくてすみますｖｖ
男性用のカミソリ負けのローションも、実話で、父がカミソリ負けしてしまって、治すローションを買ってきたのです。で、それを私が借りたら、驚くほど効いて！！男用って男しか目に留まらないし、使おうとも思わないので、新鮮な驚きでした！！それらがミックスされて、この作品になります（笑）
化粧水で潤っても、傷が治り易くなるかは・・・違うとは思うのだけれど、まあ、それはフィクションってことで（笑）
ＢＹ ＭＵＴＵＭＩ