コマッタなユタカな十二宮戦！中編
獅子宮
星矢「次はアイオリアのいる獅子宮か」
瞬「これまた筋肉バカの宮だね。修行とかそういう言葉に弱いから、思い切りノリノリそう」
アイオリア「星矢！貴様はここで死んでもらう！！」
ノリ良すぎ！！
瞬「何あれ！いつから役者志望になったの！？」
紫龍「いや、あの顔から察するに、幻朧魔皇拳にかかっている・・・」
瞬「洗脳するほど、この祭に価値はないよ！」
アイオリア「よく来たな。しかし、それもここまでだ」
星矢「アイオリア、俺はあんたにお世話になった。けど、ここで退くわけには行かない！これを真っ当しなくては、アテナに顔向けできない！！」
紫龍「でた。車田名物『主張改ざん』始めと最後の主張がまるで違っていると言う、驚きのもの」
瞬「僕たち、お嬢さんについていったのって、わりと嫌々だったのにね。十二宮戦が終わる頃には、腹心の聖闘士になっちゃって」
アイオリア「俺からの課題は単純だ。これを食べればいい」
星矢「へえ、デスマスクと似た課題だな。何を食べればいいんだ？」
アイオリア「これだ」
鍋いっぱいのミミズ。
星矢「・・・・・・・マジか？」
アイオリア「極めてマジだ。生きのいいミミズを揃えた」
星矢「ミミズにみせかけたウナギとかってことはないのか？」
アイオリア「ミミズにみせかけた、ミミズだ」
星矢「ミミズじゃねえか！！」
紫龍「おい！デスマスクの茶目っ気じゃなくて、心底本気でミミズみたいだぞ」
瞬「ミミズなんて食べられるわけないじゃない！」
氷河「それに、ミミズは十二宮編じゃないし！おい！ミミズはハーデス編だろう」
アイオリア「ふ・・・もう一度よく繰り返してみろ」
氷河「何？」
アイオリア「アニメでは何て言っている？」
氷河「アニメでは・・・ハーデス十二宮・・・あああああっ！？」
アイオリア「その通り！ハーデス十二宮編だ！つまり、ミミズとの戦いもひらたく言えば十二宮編なのだ！なので、まったく問題ない！！」
瞬「アイオリアに論理的に語られちゃったよ！なんていう屈辱！」
星矢「く・・・ミミズを食べなくちゃ先へ進めない！けど、いくら親ナシ、金ナシ、彼女ナシの人生でも、そんな物を食わなくちゃいけないようなことには直面したことがない！」
瞬「こうなったら・・・奥義を使う！」
紫龍「なんだって？」
兄さーーーーーーん！！！
一輝「呼んだか！？」
星矢「すげえ、本当に来た・・・」
紫龍「本来ならあいつの登場は処女宮のはずだが・・・」
氷河「いいだろ、とりあえずここが片付くなら・・・」
一輝「どうした、瞬」
瞬「兄さん、すみません！ミミズ食べてください！！」
一輝「なにぃ！！？」
瞬「僕は兄さんにミミズを食べてもらわなくちゃいけない。でも、僕の苦しみ、兄さんなら分かってくれるね？」
一輝「おい・・・！」
瞬「本当にありがとうございます、兄さん！」
グレートキャプチャー！！
一輝「しゅ、瞬！？」
瞬「アイオリア！兄さんが全部食べてくれるからいいよね！」
一輝「おい、チェーンを離せ！」
瞬「アイオリアの気が変わらないうちに行くよ！」
お、おう・・・・！
一輝「待て！お前ら〜〜〜！！」
瞬「ふう、どうやら無事に獅子宮を抜けられたね。あれ、どうしたのみんな。脂汗でテカテカだけど・・・」
星矢「いや、お前って思い切ると、なんの躊躇も迷いもないんだなって思って」
紫龍「意外とミステリーでは、真犯人の口かもな」
氷河「一輝のやつ・・・大丈夫だろうか・・・」
瞬「兄さんなら大丈夫！だって、僕の兄さんだから！」
う〜む・・・・
処女宮
星矢「みんな、気を引き締めていけよ！あのシャカの宮だからな！」
ラジャッ！
青銅「失礼します！！」
シャカ「よく来た。ここを通りたいなら、土下座して私を拝め」
・・・・・・・・・。
シャカ「どうしたのかね、黙りこくって」
星矢「いや、一つだけ聞かせてくれ」
シャカ「本当ならば天舞法輪だが、特別に聞いてやろう。なんだ？」
星矢「土下座するだけでいいのか？」
シャカ「土下座しろという言葉が聞き取れなかったのか？日本語が分からないとなると何人だ？土星人か？」
星矢「みんな！シャカの言葉は聞いたか？全員整列！！」
ザッ！！
星矢「礼―――――――！！！」
光速で土下座をした青銅達であった。
シャカ「どうしたことだ。いつからキミ達はそんなに聞き分けがよくなったんだ！？」
星矢「じゃあ、今までは何でも反抗する生意気なガキってことだったのか？」
紫龍「今までの戦いを反芻すると、そうかもしれんな」
氷河「油に火を注ぐな。では、行くぞ！」
ダダダダダッと逃げるように駆けた青銅達であった。
瞬「助かったね！まさか土下座だけでいいなんて！」
星矢「本当だよな〜土下座だけでクリアできるなら、もう何億回でもやっちゃうぜ！」
紫龍「他が強烈すぎて、シャカが普通に見えたな・・・」
天秤宮
氷河「ここは俺が氷漬けになってたところだな」
瞬「僕が温めたところだね！」
紫龍「俺が氷河を助け出したところだな」
星矢「唯一休憩がとれたトコだな。で、ここは何かあるのか？老師は？」
紫龍「さぁ・・・あの方は五老峰におられるのではないかと思うのだが・・・」
星矢「とりあえず入ってみるか」
・・・・・・。
暑いっ！！！！
星矢「なんだこの暑さ！おまけにホコリ臭い！」
瞬「わっ、温度計で４６度もあるよ！湿度は８０％だ！」
氷河「うう・・・北国育ちにこれは拷問だ・・・」
瞬「氷河しっかり！！」
紫龍「やはりか・・・留守にしていたから誰も掃除をせず、おまけにこの夏の暑さの中閉め切りっぱなしで温度は上昇。ダストハウスと化していたのか」
星矢「ぶっ倒れる前に通り過ぎようぜ！」
瞬「氷河がもう倒れちゃったよ！」
星矢「何！？面倒な男だな！！引きずっていけ！行くぞ！！」
待ってくれ！！
星矢「・・・・・なんだ、紫龍」
紫龍「掃除をしていく」
星矢「はぁ！？」
紫龍「天秤宮がこんなことになっているとは知らなかった。弟子として見過ごせない！だから、キレイに掃除していく」
星矢「そうか。じゃあ、お前は残れ。俺たちは行く。がんばれ」
紫龍「お前らも一緒に掃除をするんだ」
はぁっ！？
瞬「どうして僕たちまで？」
紫龍「死ぬ時は一緒と誓ったはずだろ」
瞬「誓ったけど、掃除を一緒にと誓った事はないよ！」
紫龍「老師に世話になった恩をここで返すべきじゃないのか？」
星矢「俺たち、お前ほど世話になったことないと思うが」
紫龍「エイトセンシズに目覚めるきっかけを教えてくれただろう？」
星矢「いや、俺、老師に会ってないから」
紫龍「・・・・・・とにかく、俺１人じゃ時間がかかるから一緒にやってくれ」
瞬「最初からそう言おうよ。それじゃあ春麗さんへのプロポーズも思いやられるね」
それから１時間、天秤宮の掃除をした青銅達だった。
紫龍「ああ、キレイになった。天秤宮がキレイになって清々しい気分だな」
星矢「俺たちがホコリだらけだけどな」
瞬「これでいいよね？先に進めるよね？」
紫龍「ああ、本当にありがとう。この恩は忘れない」
瞬「忘れないなら、この氷河抱えてってくれる？」
紫龍「それくらいお安い御用だ」
ひょいっ。
星矢「うーん、ビジュアル的にお姫様だっこはどこか不思議だ」
瞬「そういえば、シャカと兄さんが狭間から出てきたときもお姫様だっこだったね」
星矢「こだわりがあるのかな・・・色々」
瞬「う〜ん、かも」
天蠍宮
ミロ「待ちくたびれたぞ！何してたんだ！」
星矢「ちょっと天秤宮の掃除を・・・」
ミロ「何掃除！？そんなもの１年に１回でいいだろう！」
瞬「まあ、男ならそう言うのも仕方ないかな・・・」
ミロ「というか！！はっきり言って俺の出番が遅すぎる！！」
星矢「しょうがないだろ、天蠍宮なんだから」
ミロ「しょうがないですむなら生姜はいらんわ！お前らはレギュラーだから分からないだろうが、観客のテンションが下がった状態での登場はとてつもなく辛いんだぞ！！」
紫龍「そういうものなのか？」
ミロ「そうだ！！現に、もうすぐこの中編も終わるが、はっきり言って読むのに疲れてるに違いない！！」
星矢「いや、そこまで俺たちわかんないし」
ミロ「仮に疲れてないとしても！！シャカだの、アイオリアだの、とてつもなくインパクトのあるキャラの後の登場だぞ！？あいつら以上のインパクトを与えるなんて至難の業だぞ！」
瞬「確かにその通り・・・」
ミロ「天蠍宮の引っ越しがしたい！！せめて白羊宮の次くらいに！！」
星矢「いやあ、そんなことしたら４月の次が１０月とかになるから止めて欲しいな」
瞬「まあまあ、とりあえず気を取り直して。ミロの課題は何？」
ミロ「射的だ」
瞬「射的？」
ミロ「各々これを持つように」
星矢「何、ぬいぐるみ？」
紫龍「俺のはヤジロベーだ」
瞬「僕はお菓子だよ」
ミロ「俺が今からスカーレットニードルを放つ！体を射抜かれないよう、その的で防げ！！」
なんだとっ！！
星矢「できるわけないだろ！！これ、単なる布袋だぞ！！お前のスカーレットニードルなんか浴びたら、木端微塵だろ！！」
瞬「ていうか、射的って、あなたが撃つ側なわけ！？」
紫龍「あなたも相当なインパクトな持ち主だ。安心していいぞ」
ミロ「問答無用！」
スカーレットニードル！！
星矢「ぎょえええ！ぬいぐるみが！！」
瞬「しっかり！まだ布の部分残ってるから！」
星矢「そう言う問題か！？布なんて皮膚同然だろうが！！！」
紫龍「俺のヤジロベーよりましだ。俺なんか範囲が狭くて狭くて！」
ミロ「しっかりしないと体撃ち抜かれるぞ！」
星矢「的が崩壊したぞ！どうしたらいい！？」
ミロ「１５発我慢すればいい！」
星矢「それができたら苦労せんわ――――！！」
ぎゃあぎゃあ言いながら逃げ惑う青銅聖闘士たち。そんな中、ぶっ倒れていた氷河が身じろぎをした。
ミロ「ふ、お前ら、ヒヨコのくせにやるな」
星矢「スカーレットニードルで廃人になるのはごめんだからな！」
瞬「他人事じゃないもんね、星矢の場合は・・・」
ミロ「しかし、これを防ぐ事ができるか？」
紫龍「く、来るか、ミロ最大の技が！」
スカーレットニードルアンタ・・・
氷河「ホーロドニースメルチ！！！！」
全員「ぐわぁあああああああ！！！」
不意打ちに全員防御ができず、攻撃をもろに食らって床に激突した。
氷河「安眠妨害もいい加減にしろ・・・・・・ってここはどこだ？」
星矢「・・・天蠍宮だってば・・・」
瞬「君・・・寝ぼけて大技放つのやめてよ・・・」
紫龍「うう・・・寒くて死にそうだ」
ミロ「俺は・・・やっぱりこう言うポジションなのか・・・？」
そんなこんなで、なし崩しにミロが勝ちを譲ることになってしまった。
戦い相手と時期に恵まれないミロに幸あれ！！
続く！