OH、人事異動！
サガ「さてと、年も明けたし、次の目玉は人事異動だな」
デスマスク「はっ！？人事異動ってナンだよ！」
サガ「人事異動も知らんのか」
デスマスク「いや、知ってるけど」
サガ「なら質問するな、バカモノ」
デスマスク「いや、そーゆーことじゃなくってだな！」
ムウ「ちょっとストップ！話が全然進まないでしょう。シュラ、あなたもボーっとみてないで、止めなさい。何のためにいると思ってるんです」
シュラ「・・・アテナをお守りする為だが。まあいい、デスマスク、とりあえずサガの意見を聞こう」
デスマスク「しょうがねえな」
サガ「私は思い返したのだ。私達が内乱で、ことごとく黄金が死んだ時のことを。ムウ、アルデバランを倒したら、アイオリアのとこまで素通り。ラストの天蠍宮を通り過ぎたら、なんと教皇の間まで守る者は誰もいない！！
ザル警備にも程がある。如実に欠陥が露呈したのは、ハーデス戦。事情はあったが白羊宮は戦闘放棄、金牛宮は相打ち、獅子宮で盛り返したものの抜かれ、まともに防げたのは処女宮のみ！！
ミロに至っては冥闘士を一人も倒していない！！！
仮にもアテナの本拠地というのに、この無策な人物配置は明らかにおかしい。きちんと水も漏れぬ鉄壁の守りにしたいのだ。それゆえ、人事異動を行うことにした」
ムウ「直訳、弱い奴はクビ。ですか」
デスマスク「超訳だろ、それ」
ムウ「サガは無意識に言いましたよ。アルデバランは弱いからいらんと」
サガ「いや！そんな風には思ってない！」
アルデバラン「わかっている。サガがそんなことを思う奴ではないと」
ムウ「その優しさが、戦闘では命取りなんですよね」
グサッ
アルデバラン「うっ・・・・」
ムウ「大体、どんな敵にもトドメがさせませんよね。星矢にもニオベにも、シドバドにはやられっぱで反撃もできませんでしたし」
アイオリア「ムウ、いい加減にしろ。アルデバランはトドメがさせないことくらいなんだ。そんなの俺が倒せばいいことだろう」
ミロ「本当のことなら全て言っていいってことはないだろ、ムウ。アルデバランに謝れよ」
庇っているようで追い討ちをかけているということに気づいていない。見ろ、アルデバランを取り囲む小宇宙がどす暗くなっている。
ミロ「ほら、朗らか青年があんなに暗く！」
ムウ「・・・半分以上はあなた方のせいですけどね。すみません、アルデバラン言い過ぎました」
アルデバラン「いや、気にするな。弱いことは確かだ」
サガ「それでも、白銀とは比べ物にはならん。クビになどしたりしないから安心しろ。アルデバランは恐らく今の位置が丁度いいのだろうな。人が良いから、話をすれば戦闘をせずに帰すことも出来るし、また正当なら通すことも出来るだろうし。ムウとセットで丁度いいだろう」
ムウ「では、私も白羊宮でいいですね。よかった。うちの宮は辺り一面パソコンコードだらけなんで、異動なんてことになったら苦労するなって思って嫌だったんです」
アフロディーテ「えっ！サガ、異動ってことは、人だけ移動なのか！？」
サガ「それはそうだろう。宮を運ぶことなどできまい」
アフロディーテ「断固反対！！私のバラ園は私にしか栽培できない！行ったり来たりだなんて酷く効率が悪い！」
デスマスク「俺も反対！巨蟹宮以上の宮になったら、街に下りるのが億劫になる！」
サガ「デスマスクは宝瓶宮に異動っと」
デスマスク「ええっ！何でだよ！！」
サガ「当たり前だろう！そんなプライベート丸出しの主張が通せるか！！」
デスマスク「アフロディーテのバラ園だってプライベートだろ！」
アフロディーテ「失礼なっ！仕事の一環だ！道を埋め尽くす薔薇のおかげで星矢を瀕死にできたんだからな！」
カミュ「・・・・サガ、デスマスクが宝瓶宮に異動になると、私はどこに行けばいいんだ」
サガ「まあ、巨蟹宮じゃないか」
カミュ「あのお面が沢山あるところか・・・？嫌だ、そんなところは」
サガ「弟子がいっぱいいると思えばいいじゃないか」
カミュ「そんな弟子は嫌だ！！」
ミロ「カミュ！俺が代わってやるよ！」
カミュ「ミロ！」
ミロ「俺の宮なら、死面はいないし、カミュも勝手知ってるし、過ごしやすいと思う！俺が代わるよ！」
カミュ「迷惑をかけるな・・・・・」
ミロ「カミュが幸せなら、俺は全然構わないさ！」
アフロディーテ「ということは、私、デスマスク、シュラと続くわけだ。これは楽しそうだな」
シュラ「・・・・・・・・サガ、俺、できれば始めの方がいいんだが・・・」
サガ「ん、何でだ？」
シュラ「いや・・・今でもこいつらに振り回されてるのに、デスマスクまでこっちにやってきたら・・・想像がつかん」
サガ「白羊宮と金牛宮は埋まってるから、双児宮にでも移るか？」
シュラ「ああ、そうしてくれるとありがたい」
アフロディーテ「シュラ！私達が嫌いなのか！？」
シュラ「いや、嫌いじゃない。ただ、苦労してるだけだ」
アフロディーテ「そんな！友達づらしてそんなこと思ってたなんて！」
シュラ「あ、いや・・・ていうか、その論理展開何かおかしくないか？」
アフロディーテ「裏切られた！！私はシュラに絶望した！！」
シュラ「お、おい！！」
デスマスク「アフロディーテ、こう考えてみろ。夜遅くなって、帰るのが面倒になった時、こいつの家で寝られると思えば」
アフロディーテ「あ、そうか。これは便利だ！シュラ、双児宮への異動オッケーだ。後で枕と毛布とパジャマ持っていくからよろしくな！」
シュラ「・・・・・・・・・・」
一同、憐憫の情を覚えつつ、ポンとシュラの肩を叩くのだった。
サガ「次はシャカだな」
シャカ「私は沙羅双樹の園の管理があるからな。このままを支持する。ハーデス戦での功績も考えて欲しい」
ミロ「すごかったよな〜！バッタバッタ倒していったよな〜！」
アイオリア「確かに、シャカが他の宮に異動になったら間抜けだよな。『最後の戦いは・・・ちょっと待ってくれ、処女宮まで移動しないといけないから』なんてな」
サガ「シャカはそこでいいだろう。次はアイオリアだな」
シャカ「アイオリアはどこか別のところにやってくれ。朝から晩まで筋トレ、筋トレ。ドスドス煩いわ、宮に泥はおとしていくわ、汗臭いわ、迷惑だ」
アイオリア「聖闘士の本分だぞ、どこが悪い」
シャカ「８０年代じゃあるまいし、もっと効率よく、科学的にやりたまえ」
アイオリア「シャカの口から科学的なんて言葉がでるとはな。シャカこそ、科学的、効率的にしたらどうだ。昨今はテレビやネットを活用する宗教団体もあるぞ」
シャカ「結局金儲けではないか。ムウじゃあるまいし、宗教を金儲けの手段になど使いたくは無いわ」
ムウ「失礼ですね、私じゃあるまいしとはどういうことですか」
シャカ「そのとおりだ。どうせ、君のことだから、君の宮には今トイレットペーパーが沢山あるに違いない」
ムウ「おや、よくわかりましたね」
シャカ「そのトイレットペーパーを、物資不足で高騰した時に高値で売るつもりだろ」
ムウ「当たりです。もしかして、心を読みました？」
シャカ「読まなくてもわかるわ！」
アイオロス「まあまあ、抑えて抑えて。アイオリア、よければ俺の宮に移るか」
アイオリア「え、兄さんの？」
アイオロス「俺の宮は前衛的なアスレチックが沢山あるからな。特訓には良いと思うぞ。地下にあるから迷惑にもならないし」
シャカ「それはいい！そうしたまえ！」
アイオリア「それは願ったり叶ったりだが・・・前がカミュってことは、後ろは誰になるんだ？」
サガ「私だろう」
アイオリア「根暗と鬱に囲まれるのか」
ムウ「問題ないでしょう。どちらも突っ走りタイプ。あなたもその典型。気が合いますよ、きっと」
サガ「老師はあそこでいいだろう。みんなの物置になってるしな、動かすのが面倒だろう。よし、じゃあ来週から移動な！」
カミュ「なんというか、鉄壁の守りというよりは、個人の住みやすい環境を重視している気がするが・・・」
サガ「住宅ストレスは全ての大敵。ストレスがなくなれば、戦闘効率もあがるだろう」
そうして移動して一週間・・・
アイオロス「あ、俺はアイオリアじゃないから」
ミロ「うわ〜〜っ、死面が襲ってくる〜〜！！」
サガ「風呂が狭すぎる！！」
カミュ「食べこぼしのシミがここにも・・・ゴキブリを潰しても潰してもまだ出てくる・・・」
シュラ「・・・・いい加減帰ってくれないか？」
アイオリア「もう、太陽のないところでの特訓は嫌だ！」
ストレスは絶大だった。
十二宮が機能しなくなったため、人事異動は白紙になり、元に戻ったのだった。
あとがき
新年早々の作品です。人事異動で一度書いてみたいな〜と思いました。笑っていただければ幸いです。壁紙はうさちゃんを選んでみました。内容とは特に関係ありません。可愛かったので選んでみました。ムウ様、守銭奴大発揮です。これ、しばらくしたら分からないネタになるんでしょうね。シュラが相変わらず哀れですが、そんな苦労性なところが魅力ではないかと★うちのサイトは苦労性な人は出番が多いと相場が決まってますしね。
BY MUTUMI