Destiny

星矢「なあ、こんなん本屋でみつけたんだけど！」
夕方、外から帰ってきた星矢が一冊の本を取り出した。
氷河「何だこれは。」
星矢「姓名判断の本だ。」
瞬「姓名判断？」
紫龍「それをやろうってのか？」
星矢「そうそう。苗字は抜きでやってみようぜ。」
氷河「くだらないことを考える奴がいるもんだ。俺はやらん。」
瞬「やってみようよ。ね、氷河。知らない自分をみつけられるかもよ。」
断ったところで、自分だけ仲間外れなのは嫌なので、氷河も仲間に加わった。パラパラとページを捲る。
星矢「え〜っと、星矢っと。地運が14だな。」
姓名判断とは、天運、地運、外運、人運、総運の五つからなっており、天運はそのまま苗字、地運は名前、外運は名前の外側の文字と苗字の内側の文字、人運は苗字の内側の文字と名前の内側の文字、総運は苗字と名前全部。画数で占うものである。天運は先祖からの運命、地運は人物の生来の気質。外運は外から与えられる影響。人運は社会生活での自分。総運は一生の全体運である。
紫龍「地運の14は・・・・幼年期は、両親の不和や家庭の経済的困窮など、家庭面で恵まれない暗示があります。中には、家族との離別を経験する場合もあります。ただ、他の運気で人生が変わることもあるので希望を捨てない事です。だ、そうだ。」
瞬「物凄く当ってるね。」
星矢「自分でも恐ろしいくらいだ。やはり運命だったんだな。」
氷河「そんなの嘘だ。俺は信じない。」
星矢「じゃあ、氷河でいってみようぜ。」
紫龍「氷河は地運は13だな・・・・」
瞬「えっと、とても活発で人気のある人です。周囲を明るくし、人を引きつける魅力に溢れています。競う事も好きで、運動会や発表会では注目されます。自己主張が強い面が上手く働けば、若くして栄光を手にします。だって。」
氷河「ほら見ろ。全然違う。」
星矢「いやあ、うちのサイトがそうなだけで、他の氷河はとても活発だったり競ったりしてるだろう。自己主張かなり強いし。」
氷河「そうか？」
星矢「結構当ってると思うけどな。」
瞬「じゃあ、次は紫龍だね。」
星矢「紫龍は27文字だ。」
氷河「地運の27・・・・言い出したら聞かない、意地っ張りな性格です。意見が違ったり、自分に従わない友達を仲間外れにする面があり、それがいじめになる心配もあります。勝気を押さえ、優しさを身につけていきましょう。だそうだ。」
瞬「紫龍の本当の性格ってそうなのかな？」
星矢「言い出したら聞かなそうだな！」
氷河「確かに。いじめはしないだろうけど。」
星矢「デスマスク戦ではものの見事決裂したもんな！」
瞬「でも優しいよねとっても。」
星矢「老師のおかげだろう。老師じゃなかったらそうなってるかもよ♪」
紫龍「瞬をやろう。瞬は18だ。」
氷河「18画は・・・・幼い時から自分の夢をしっかりと持ち、野心を抱いて頑張るタイプです。才能もあり、はやくから自分の道をきめて努力します。それだけに、自分と会わない人を無視する傾向があるので協調性を養いましょう。」
星矢「これって・・・一輝のことじゃないのか？」
紫龍「瞬のとは思えないな。」
瞬「僕もそう思う。」
星矢「自分の道って勿論瞬を守る道だろ？野心抱きまくりだし、才能もあるしな。初対面の時から既に道は決定してたみたいだし。自分とあわない人間嫌うもんな。協調性ゼロだし。」
紫龍「一輝のも調べてみるか？」
瞬「そうだね。」
星矢「一輝は16画だ。」
紫龍「地運の16はおっとりしている様に見えますが、実力を持った頑張り屋です。全体を見て行動するのが上手なので、リーダー的存在になります。ただ、調子にのって我侭を言っていると友達が離れていきます。」
瞬「兄さんっぽくない。」
氷河「どっちかっていうと瞬っぽいな。おっとりしているように見えるし。」
星矢「実力持った頑張り屋だし。」
紫龍「全体を良く見るし。」
星矢「この兄弟、真逆だな！神様が間違えたんじゃない？」
氷河「確かに。神様って絶対完璧じゃないからな。」
紫龍「聞こえるかもしれないから黙ってろ。」
星矢「他のもやってみようぜ。姉さんやってみてもいい？」
瞬「良いよ。」
星矢「星華だから19だ・・・・驚くようなな事件が起きても静かに微笑んでいるような冷静さが幼い時から見られます。家庭の愛情に恵まれず、引っ込み思案になる場合もありますが内面は豊かで鋭い勘で周囲を驚かす事もあります。か。結構当ってるな。姉さん昔から沈着冷静だったし。流石に俺が引き取られる時は感情出してたけど。」
瞬「星矢姉弟の時って物凄く良く当るね。家庭の愛情に恵まれずって二人共かかれてるし。」
紫龍「すまんが春麗も調べて良いか？」
氷河「いいぞ。春麗だから28だ。他の子が興味を示さないような事に熱中し、凝り性です。ちょっと変わったタイプなので常識的な物の考え方を養う様にしましょう。体質的にも弱いので、病気や怪我に注意しましょう。」
瞬「春麗さんがまるで奇人みたいじゃない。運の名前も奇人運だしさ。」
星矢「紫龍とくっつくのがまるでおかしいみたいだな。」
氷河「しかし、一番聖闘士に近い女性だろう？しかも人間ミイラ寸前の老師に育てられたんだ。普通の少女とは言いがたいだろう。」
瞬「確かにね。一体どんな風な教育をしたんだか少し興味あるよ。きっと人生の真理みたいなことを教えられたんだろうね。」
星矢「コギャルとは程遠いよな。まあ、それがいいんだろうけど。」
紫龍「身体は強い方ではないが・・・・・」
氷河「絵梨衣さんもいいか？」
瞬「うん、いいよ。」
星矢「29だな。何でも自慢したがる、見栄っ張りな性格です。家庭的に豊かで物質的には恵まれるでしょう。勘も鋭く、流行には敏感です。気分にムラがあるので、じっくりと一つの事にとりくむ努力が必要です。何だこれは！全然違うぞ！」
瞬「まあ、彼女はもともとアニメの人間だしね。作者が考えた名前かどうか・・・じゃあ、星の子学園関係で美穂さんは？」
星矢「美穂ちゃんは・・・・頭の良さでは郡を抜き、考えた事はすぐに行動に移すタイプです。家庭では何不自由なく育つでしょう。気性の激しさが我侭な言動になって出ることもありますが、分かってくれるだけの知性があります。ってちょっとだけ違うな。」
紫龍「家庭では何不自由なくってところだな。」
星矢「美穂ちゃん結構頭良いし、考えた事行動に移すし、けっこう気性あらいけど、家庭面で恵まれてるかなあ。そりゃ家はあるけどね。」
紫龍「当るも八卦当らぬも八卦だな。」
星矢「じゃあ、次は魔鈴さんだ。」
瞬「34画。多いね。物事をじっくり考える、内向的な性格です。孤独の暗示があり、家族から十分な愛情を貰えなかったり、別離を経験するかもしれません。身体も強い方ではないので季節の変わり目は健康管理に気をつけましょう。だって。どう？星矢。」
星矢「可哀相に。運命なんだ。」
涙が大量に流れている。
星矢「魔鈴さんにも弟がいて、でも別れてて。悲惨な運命だ。」
紫龍「星矢関係は何故悲惨な暗示なんだ？」
氷河「俺達って本当に良い星の下にないようだな。内容がどれもこれもマイナス方面だ。」
瞬「確かに。」
紫龍「まあ、所詮は占いだ。次は・・・・」
星矢「貴鬼いってみるか。」
瞬「貴鬼は22っと。大人しくナイーブで、なかなか周囲に馴染めません。ちょっとした事にも傷つきやすく、集団行動は苦手です。自分の好きなことに熱中する事で、少しずつ自信がついていくでしょう。だって。貴鬼ってそうなのかな？」
紫龍「確かに最初は懐かなかったな。」
星矢「ムウにべったりだしな。」
瞬「ムウに出会ってなかったらこんな子だったのかもね。」
紫龍「次、老師いいか？」
氷河「老師か。老師は万事に消極的でしわ寄せを一手に被るような割りの悪い子供です。体も弱く、幼くして親の離婚や死別に出会うといった苦難があるかもしれません。他の吉数に望みをかけ、小さな幸せを明るくとらえましょう。老師の子供時代って本当に一昔以上前だろ。」
紫龍「一体子供の頃ってどんなんだったんだろう・・・・？」
瞬「やっぱり小さな幸せって春麗さんと紫龍のことだね。」
星矢「その頃子供・・・・か？既に超越した爺だろ。」
瞬「辰巳もやってみようか。せっかく日本人で全部名前揃ってるし。」
紫龍「そうだな。地運17。何でも一番にならないときがすまない、活発で闘争心の旺盛な性格です。しかも、粘り強く、いったん自分できめた事にはなりふり構わず向かっていきます。自分の意志を尊重しながら自制することも忘れずに。」
星矢「辰巳のその性格も立派に運命だったんだな。」
瞬「そうみたい。」
氷河「人運は？」
紫龍「人運は・・・・同じく17で・・・難しい仕事を与えられるほど、遣り甲斐を感じて一途に取り組みます。生活力もあり、多少の困難にはくじけません。しかし、恋愛に関しては、のめりこみやすい性格なのでうっとおしいと思われる事もあります。」
氷河「当りすぎだ。」
瞬「恋愛には気をつけなきゃね。」
紫龍「外運10っと。成果を他人に横取りされたり、良かれと思った事が裏目にでたり、報われない場面が多いかもしれません。しかし、苦境の時に異彩を放つ可能性が。また、この数が重なると稀に大成功する事があります。だってさ。」
瞬「昔はいろいろと僕達に仰々しく物語ってそれで城戸光政にいろいろ言われて兄さんをリンチして・・・・やっぱり運命だね。」
星矢「苦境の時に異彩って、一番花咲いたのは、邪武達が駆けつける前、雑兵を一人のしたところだろうな。」
紫龍「最後に総運。27俺と同じだな。中年期以降に家庭や職場での自分の立場が不安定になるかもしれません。人との調和を保てないでいると、寂しい晩年を覚悟しなくてはなりません。思ったままを口に出すのではなく、人の立場を考えた言動を。だとさ。」
瞬「辰巳って今中年？」
星矢「三十二か。微妙だよな。」
氷河「だが、ターニングポイントではあるだろうな。」
紫龍「自分の立場が不安定。確かにな。」
星矢「お嬢さんを守る仕事は俺達にとられるし。救いはコミックスでは、段々おちゃめになったところだな。このサイトでは全く変わってないが。」
瞬「きっと立場を考えてみたんじゃない？」
星矢「運命とは恐ろしいもんだ。」
瞬「城戸光政・・・やってみる？」
星矢「どうせ滅茶苦茶だぜ。」
氷河「地運15。人の話をしっかりと目を見て聞くような聡明で落ちつきのある性格です。真面目で陰日向がなく弱い立場の人を思いやる心にも溢れ、友人にも信頼されます。素直さをそのまま活かしていきましょう。マーマもこうして光政に騙されたのか。」
瞬「だけどアイオロスの話をちゃんとしっかり聞いてたよね。その後も、神の啓示だとか言って殆ど無理矢理だったけど納得させたし本当はその性格だったかもしれない。」
星矢「次の人運で奴の社会での性格がわかるぞ。」
紫龍「人運10。人をなかなか信用せず、顔色をうかがうようなところがあります。その為、人から敬遠されやすく、親しい友人に出会えません。底力はあるので、焦らず、なるべく明るく振舞う様にしましょう。流石だ。」
瞬「可哀相に。聡明で真面目だったのは沙織さんの前でだけだったんだね。」
星矢「そうでなきゃあそこまで財団を成長させる事はできなかっただろう。」
氷河「外運は・・・・18だな。ここ一番が勝負と言う時には、周囲の雑音をものともせず実行します。実力もあり、多くの場合は成功しますが、なかにはとっつきの悪い人と反発する人もいるでしょう。笑顔を忘れず強引さを自重しましょう。城戸光政の社会での生活ぶりがこれで分かった気がする。」
瞬「大変なんだね、成功するのって。」
紫龍「最後に総運。28。春麗と同じか。人と違った事ばかりやりたがっていると晩年の生活は不安定になってしまいます。奇をてらった言動を慎み常識的な生きかたを実行しましょう。開運の鍵は平凡である事の良さを認識する事です。しっかり晩年に奇をてらった人生を歩んだな。」
瞬「確かにね。聖闘士を養成させるために孤児を百人も引き取ったり、勝手にスチール聖闘士を作ったり。」
星矢「そもそも百人子供作ることが既に奇をてらってるよ。」
氷河「奴の色情魔も運命だったと。」
紫龍「そう考えると諦めがつくな。」
星矢「そう考えるとな。」
瞬「最後に沙織お嬢さんいってみようか。」
星矢「沙織さんも苗字名前全部そろってるから全部やってみよう。」
氷河「初めてアテナ以外に名前をもったアテナだし、城戸沙織の方が長く使われてるだろう。性格はそっちだろう。」
瞬「あってるかな、あってないかな。」
紫龍「まず地運。25画。幼い頃から竹を割ったような性格で、勢いあまってガキ大将的な存在になって問題を起こす事もあります。ただ、沈着で大胆な性格を生かしながら、人への思いやりを育てていけば良い方向に向かいます。」
星矢「・・・・・・」
瞬「つ、次。人運いってみよう。」
紫龍「人運。どんな場面でも意欲に溢れ、新しい風を得て大きく伸びるたくましさがあります。何事にも積極的に颯爽と撮りこむので、人望が集まります。結婚後の家庭も、笑いと暖かさに満ちた幸せなものになるでしょう。」
氷河「外運は？」
紫龍「外運27。思い込んだら一途に突き進む強さがあり、能力も手腕もあります。しかし、自身過剰から職場でトラブルを起こす暗示があります。ただ、他の数とのバランスによっては知力と強い意志がいかせるでしょう。だ、そうだ。」
星矢「・・・・・・・」
冷や汗が凄い。全員冷や汗たらたらである。
紫龍「総運は38。コツコツと積み重ねて来た事や、趣味として続けて来た事が、中年期から晩年にかけて大きく実ります。困難に遭っても悲観したり投げやりになったりせず、自分が心から熱中できる物を見つけましょう。」
全員「・・・・・・・・」
しばらくの沈黙。そして・・・・
全員「城戸光政のバカヤロー!!!」
鳥が飛んでいった。

あとがき
4000番、報告者無しですので作りました。一度作ってみたかったのです。パラレルとなると、途端にバカになりますね。ちなみにこれは間違いなく本当です。私の持つ、姓名判断の本からの抜粋です。私的解釈で行くと、漢字圏のみ有効かと思います。他のって画数少なすぎるんだもの。結構皆あってると思いますがどうでしょう？瞬と一輝は逆でしたけどね。やはり、運命は皆違うと。そして、運命と言うのは存在すると。城戸光政、命名は考えないとねえ。裏シナリオ。実は、この時沙織はティータイムをしていました。星矢達の罵声は、何とか聞こえませんでした。

　　　　　　　　　　BY　　MUTUMI