ママ誕生！？

それは、ある夜のこと・・・。

麗花「・・・ママァ・・・」

スゥスゥと寝息を立てながらこぼれた、小さな寝言。
形のないそれはすぐ消えたが、ある男の胸にはいつまでも残っていた。

朝、６時。

ムウ「こんな朝早くに私達を呼び出して何の用事ですか？」
アフロディーテ「呼ぶにしては、随分珍しい組み合わせだと思うけど・・・」

サガ「呼んだのは他でもない。実はな」

神妙な面持ちのサガ。思わず、2人は息を飲む。

サガ「麗花のママになってくれ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・は？

ムウ「ママってどういうことですか！？」
サガ「その意味どおりだ」
アフロディーテ「いやいや、意味不明なんですけど！！」
サガ「我々が愛情をかけて育てているが、まだ母が恋しいらしい。なので、女顔のお前達にママになってもらおうと思って」
ムウ「私達は男ですよ！！」

サガ「女装すればいいだろう」

アフロディーテ「女装しても女にはなれないぞ。というか、私は別のシリーズでも女装してるんだぞ（しかも、ママ役）。ここでまで女装など晒せるか！！」
サガ「薔薇は晒してるのに？」
アフロディーテ「それがなんだ！！薔薇は女の専売特許か！？」
ムウ「聖域にも女性がいるでしょう！！魔鈴とか、シャイナとか！！」

サガ「お前ら。アレは女であって女でない。少々胸に脂肪がついた人間だ」

ムウ「身も蓋もない言い方しますね」

サガ「魔鈴に預けて、『死ねば？』とか言うような人間に育ってしまったら、私は死んでも死にきれない！！」
アフロディーテ「だからって、私達をママにしなくても。本当のママのところに返せばいいじゃない」
サガ「今の中国に返せると思うのか！？PM2.5のエジキだぞ！！」
ムウ「確かに迷惑ですよね、PM2.5。ジャミールでも観測されるようになってしまって・・・。クリスタルウォールで全部弾き返してますけど」
アフロディーテ「へぇ、そんなことができるのか。便利でいいな」

ムウ「あなたも新技を開発したらどうですか？車田なら、技を開発する行程を見せることなく、いきなり新技見せても、誰も驚きはしないと思いますよ」

アフロディーテ「・・・確かに。アンドロメダなんか相当だもんな。いつどこで、相手の技によってチェーンは技を変えるなんて設定ついたのやら。その後、新技生まれないしな」

サガ「・・・となると、お前らが、今この場で、自分は実は女だったと主張しても、誰も驚かないと」

ムウ「それは驚きますよ！！それはやりすぎです！！」

サガ「非常識に限界はない！！」

アフロディーテ「・・・・・だったら、サガがママになればいい！！」

はぁっ！！？

サガ「何バカ言ってるんだ！！私は男だぞ！！私が女になってみろ！！どこぞの二重人格女になってしまう！！」
ムウ「いいんじゃないですか？あれは、二重人格というよりは、ツンとデレが強烈なだけの、一重人格ですから。大分進歩してますよ」
アフロディーテ「カノンがパパなんだろ？なら、サガがママでちょうどいいだろう」
サガ「どの辺がちょうどいいんだ。同じ顔の両親って不気味極まりないだろ！！」

ムウ「ライオンは、たてがみをそれば、オスもメスも同じ顔です！！」

アフロディーテ「トラは、オスもメスも見分けつかないな」
サガ「うっ・・・・・・・・・！！」

麗花「おじちゃ～ん、おはよ～」

目をこすりながら、麗花が起きてくる。すると、キッチンにいたのは・・・。

サガ「おはよう、麗花」

ワンピースを着たサガであった。

麗花「・・・おじちゃんどうしたの？女の人みたいだよ？」
サガ「麗花・・・おじちゃんはね、今日からママになったんだよ」
麗花「ええええええ！！」
サガ「ギリシャではね、カワイイ女の子が泊まると女の人になってしまうんだよ」
麗花「ひゃああああ。すっごいね！！」
サガ「だろう？だから、今日から、私のことは、ママって呼ぶんだよ？」
麗花「はい！！ママ！！」

アフロディーテ「いいのか？これで」
ムウ「よくはありませんけど、私達が女装するよりはよっぽどマシでしょう」
アフロディーテ「どうするんだ、これから」
ムウ「知りませんよ。当分、非常識を貫きましょう。どうやら、非常識には限界がないらしいですからね」

大分引きつった笑顔を見せているサガ。
さあ、聖域の明日はどっちだ！！上か、下か、右か左か、異次元か！！？

あとがき
久しぶりの五老峰シリーズ！！名古屋で、好きとおっしゃってくれた方がいるので、続きを書いてみました！！
・・・・・うん、もう着地点がどこだかわかんないよ、このシリーズ（これだけじゃなく、どのシリーズも。）ごめん、本当ごめんっ！！
サガって、ママが似合うと思うの。パパより、ママっぽい。
うん、ほら、セーラームーンだって、みちるママ、せつなママ、『はるかパパ』だったし、逆バージョンでもイケルイケル！！
カノン五老峰幽閉シリーズっていうか、サガ勘違い暴走シリーズに改めても、遜色はない気がしてきたよ（笑）シリーズ乗っ取られないよう、頑張れカノン！！

BY　　MUTUMI