完・日本戦争

今日もワルハラ宮は納豆のオンパレードだった。
フレア「見てみて！今日はナットウピザなの！」
ハーゲン「すばらしいですフレア様！」
近頃では単品のみならず、他の料理とのアレンジも行っていた。
バド「俺はそのままを味わう方が好きだがな。」
フェンリル「ひきわりがいい！」
ミーメ「私はふりかけがいいかな。直接食べるより匂いがおさえられてて食べやすい。」
シド「確かにな。あれならけっこういける。」
トール「納豆茶がうまかった。」
ジークフリート「納豆スープ。あれが一番だな。」
アルベリッヒ「成り上がりが。納豆は米と食べるのが一番だ。」
個人での好きな料理法もできあがっていた。太陽が昇るとともに納豆を食べ、日が沈むとともに納豆を食べる。神闘士を納豆士に変えてもいいくらい納豆を食べていた。

関西VS茨城　INアスガルドは茨城のKO勝ちに思えた。
しかし、それは甘かった。
関西側にはアテナに匹敵する最強の武器があったのだ。


衛兵「失礼します！」
ジークフリート「どうした？」
衛兵「お食事中失礼します。どうしてもジークフリート様にお伝えしなければならないことがあって・・・・」
ジークフリート「なんだ？」
衛兵「アスガルドの氷が溶けています！！」


なんだってぇ！！！

全員の口から糸がでた。
アルベリッヒ「ヒルダ様がまた黒くなったのか？ていうか、そーいやここにいないけどどうしたんだ？」
ジークフリート「ったくお前は相変わらず忠誠心のないやつ。ヒルダ様はここ数日自室で食事をとっておられるのだ。理由はおっしゃっていないがな。」
シド「そういえば、このところ我々が挨拶しようとすると妙に避けられるな。」
フレア「私にもよ。ハンカチでいつも口元を隠しているわ。」
ミーメ「お体の具合でも悪いのだろうか。」
ハーゲン「それを隠しておいでなのかもしれん。」
トール「ヒルダ様はお優しい方だからなあ。」
フェンリル「アスガルドの氷が溶けるなんてよっぽどのことだ。ヒルダ様をお訪ねしよう。」
衛兵「それでは今すぐ向かわれますか！？」


ちょっと待て！

衛兵「は・・・・どうかされましたか。」


この納豆片付けてから行く！


パクパクパクと納豆を食いつづける納豆士達。口についたネバネバを丁寧に濡れティッシュで拭くとヒルダの元へ向かうのだった。

ヒルダ「はぁ・・・・・」
自室にて深く深くため息をついた。普段は決してつけない香水を部屋中にまいている。


ヒルダ様！

ヒルダ「ぐ！」
そこにやってきた九つの汚臭。まあ、なんのこっちゃない、フレアと納豆士達である。
ジークフリート「ヒルダ様、また何かお悩みですか！」
ハーゲン「代行者としての重責を気にしていらっしゃるのですか。」
フレア「具合が悪いのならお医者様を呼ぶわ！」

ああ、元味方達よ。そして今は敵よ・・・・・

ヒルダ「いいえ、悩みなどありません。気にしないでくださいな。」
ミーメ「それならば、どうしてアスガルドの氷が溶けましょう。」
アルベリッヒ「ぶっちゃけさぼってるんですか？」

どこばきぼこ！

アルベリッヒ「いてえ！何しやがる！」
ジークフリート「何を言うんだ貴様は！ヒルダ様がそんな真似なさるか！」
アルベリッヒ「さぼりゃ溶ける。簡単な理論だろーが。」
ジークフリート「なんでもかんでも理論で片付けるな！だからすぐ敗北するんだ。ヒルダ様、本当に何もお悩みなことはないのですか？」
フレア「お姉さま！アテナにご連絡する覚悟ならできておりますわ！」

まさか、納豆嫌いでそんなこと頼れるものか。

ヒルダ「申し訳ありません・・・・・・」
ジークフリート「やはり！何かお悩みなのですね！」
トール「ヒルダ様！なんなりとお話しください！」
アルベリッヒ「めんどーなことじゃなきゃやってあげないこともないです。」

どぎゃんばききぼこ！

ジークフリート「バカが失礼しました。ヒルダ様、さあお聞かせください。」
ヒルダ「皆さんに迷惑をかけてしまいます。」
シド「ヒルダ様の迷惑ならなんのことはありません。」
バド「こんなにいれば迷惑も九分割です。」
アルベリッヒ「てゆーか、あんたが無理してアスガルドが滅亡する方がよっぽど迷惑です。」

ざしゅっばしゅっどこ！

ヒルダ「ジークフリート、もういいのでは？」
ジークフリート「ヒルダ様に向かってなんたる暴言。許せません。」
ヒルダ「そんなに叩いたり殴ったり蹴ったりえぐったりしたらバカになります。アスガルドは寒いくせに頭の中は春と言われているのですからアルベリッヒのようなのが一人いないと年中春めいてしまいます。」
ハーゲン「・・・・・・誰に言われてるんです？」
ヒルダ「２チャンネルです。」
フレア「ええ！うちって２チャンネルが入るの！？」
トール「アスガルドは、アスガルド放送協会略してAHKしか入らないはずだろう！」
ミーメ「すぐにテレビを買い換えなくては。チャンネルボタンが1つしかないからな。」
シド「隣国まで行かなくちゃな。うちには家電量販店がないからな。」
フェンリル「俺はAHKもまともに見たことないけど、時代は進んでるんだな。」
バド「でも、悪口番組か？見たくないぞ。」
ジークフリート「一体どこの国が行っているのか早急に調べる必要があるな。」
ハーゲン「ああ。戦意を高揚させてまたいらぬ争いを起こすわけに行かない。どれ、2人で探るとしようか。」
アルベリッヒ「ここにパソコンあるんですか！文明の利器から遠く離れた原始人の故郷に！」
以上の発言からもわかるように今ここに文明の豚は一人しかいない。
ヒルダ「こっそりアルベリッヒのを覗き見しました。」
フレア「ええ！アルベリッヒが持ってるの？そんなテレビ独り占めしないで皆でみましょうよ！」
アルベリッヒ「ええい！無知無学はひっこんどいてもらおうか！このデバガメ！主君だと思って何してやがる！プライバシーの侵害で訴えるぞ！そんでもって慰謝料思い切りふんだくってやるぞ！」
ヒルダ「・・・それは構いませんが結局困るのはあなたでは？」

ヒルダは日本でいう天皇的ポジションである。個人資産というものはゼロ。何かあった場合税金からひかれることになっている。

アルベリッヒ「え〜え〜！わかりましたよ！許してやりますよ！」
慰謝料ふんだくった後辞職すればいいだろうに、それに気づかないアルベリッヒはバカなのか、それとも方向の違う頭が春なのか、やっぱりお人好しなのか。
フレア「アルベリッヒ、さっきの暴言酷すぎるわよ！訴えてやるわよ！」
ハーゲン「フレア様に対する暴言俺も許せん。訴えてやる！」
アルベリッヒ「身内で訴えても金がグルグル周るだけなのわかってんのか？すいませんでした、フレア様。頭に血が上って失礼なことを申しました。」
フレア「謝ってくれればそれでいいのよ。こういうプライドの高い人の頭を下げさせるのは快感ね！」
アルベリッヒ「こんなことくらいですむのなら俺のプライドの1つや2つ安いもんですよ。」

頭が春の連中とは争わないに限る。

反抗した後の惨劇を事細かに正確に想像できるアルベリッヒは胸中で語った。
ジークフリート「話が大分それてしまいましたが、思い悩むことがおありなのでしょう。お話ください。話せば少しは心が軽くなりますよ。」
ヒルダ「実は・・・・・・・・」
ジークフリート「なんですか。ヒルダ様。」
ヒルダ「ワルハラ宮にこもる納豆がどうしても・・・・・受け入れられなくて。」
フレア「そうだったの？だからこのところ自室でご飯を食べていらっしゃったのね。」
ヒルダ「皆さんがそんなに美味しそうに毎日食べているのを見るとどうしても言えなくて・・・・・」
ジークフリート「それは申し訳ありませんでした。ヒルダ様の苦しみに気づかず納豆をむさぼり食ってしまって！」
ハーゲン「納豆を食べるのをやめます！これでよろしいですね！」
ヒルダ「それは・・・・バドやフェンリルやトールは嫌でしょう？」
バド「う・・・・・それは・・・・」
フェンリル「いや・・・しかし・・・・」
トール「うーん、ヒルダ様の為ならば！やめます！」
トールはヒルダ信者。一人脱落者がでると他のものもパラパラ脱落する。
バド「わかりました！やめます！」
フェンリル「アスガルドの為ならば！」
元々ミーメとシドはそこまで愛情を抱いていないので異論はない。
ヒルダ「本当にすみません。ありがとうございます、みんな。」

茨城VS関西　INアスガルドは関西の大逆転勝ちであった。


しっかし、ヒルダに忠誠は誓うものの習慣はちょっとやそっとじゃ消えそうになく
バド「おい、おい、フェンリル！」
フェンリル「お、あれか。」
バド「アルベリッヒがワルハラ宮の裏で待ってるそうだ。」
フェンリル「必ず行く。トールには？」
バド「伝えてある。必ず消臭剤と歯ブラシと歯磨き粉、それにミントガムを忘れずにな。」
フェンリル「ああ、わかってる。」
レジスタンスとしてほそぼそと続けているようである。


あとがき
日本戦争これで終わりです。長かったですね。インスピレーションがキターーー！という奴で思うままにピキピキ書きました。苦労人アルベリッヒの姿が今日もかけて嬉しい嬉しい。アルベリッヒがいないとアスガルドはダメですね♪

BY　　MUTUMI